「あら、先月号は私のおかげでとても好評だったのよ」

昨日の記事の翌月。

将棋世界2001年4月号、佐藤紳哉四段(当時)の「将棋カウンセリング」より。

「今月も、はりきっていくわよ」

「何で、君がはりきるんだよ」

「あら、先月号は、私のおかげで、とても、好評だったのよ」

「そんな話、ひとことも聞かなかったぞ。僕なんてちょっとおかしくなったんじゃないかって疑われているぐらいなんだ」

「ふふふ」

「君は笑うな」

(中略)

Q.困ってしまったが…

 横歩取り△4五角戦法の途中、後手番の私は▲8四飛と打たれて困ってしまいました。正しい応接を教えてください。毎月「カウンセリング」読んでいます。佐藤四段応援しています。

(広島県 Fさん)


A.その瞬間に

「あなたって、単純ね」

「なんでだよ」

「だって、ちょっと応援しているって書かれたら、すぐその質問を選ぶんだもの」

「だからっていうわけじゃないよ」

「まあいいわ。だけど、こうやって応援してくれる人もいるんだから、対局もっとがんばりなさいよ」

「わかってるよ、うるさいな」

「ところで、質問のほうだけど……」

「そうだ、▲8四飛と打たれたところだったよね」

「ええ、角桂両取りに、香取りにもなっているわ。こんな局面、後手をもっていたら、めまいがしてくるわ」

「そうかな、僕は、ちょっと、考え方がちがうんだ。▲8四飛はひと目、後手から見てありがたい手だね」

「えっどうして?}

「確かに3枚取りにはなっているけれど、次に取れるのは一枚だけ。現在、後手が銀得している。そして何より、両取りをかけた瞬間が一番危険なんだ」

「じゃあ、後手はどうするの?」

「まず、△2五角と出よう」

「4七に角を成られたらもたないわね。▲3八金」

「△4七角成」

「▲同金しかないわね」

「△3八飛……これは後手成功だ」

「じゃあ、△2五角に▲5八玉は?」

「それも△4六銀ぐらいで後手がいいね」

「ふーん、逆境に見えるその瞬間こそがチャンスなのね」

「そのとおり」

「それって、人生みたいね」

「そうかな」

「ええ、例えば失恋したときに、いい男に慰めてもらったり」

「ちょっと違う気がするけど……」

「先手から見ると、三つ又が発覚して皆から総攻撃を受けるようなものかしら」

「それはなかなかいい例えだね」

 この後、僕とその女との会話は、夜明けまで続いた。なんとなく、これが最後のような気がしていた。だから、たくさん話して、たくさん笑った。

 そして、何時ごろだったか、女は「さようなら」とひとこと言って、パソコンの中へ吸い込まれるように帰っていった。

——–

不思議な味の印象的な終わり方。

このパソコンから出てきた彼女は、この次の号以降は登場しなくなる。

——–

2図以降の展開は、「先手から見ると、三つ又が発覚して皆から総攻撃を受ける」というよりも「組織的かつ大掛かりな美人局にハメられてしまった」という雰囲気に感じる。

——–

それにしても、このような3次元の形で美女が出てきてくれるパソコンがあったら本当に素晴らしいことだと思う。

しかし、

「ここ何ヵ月か、近代将棋や将棋マガジンの記事がご無沙汰じゃない?」

「昼食予想が当たらないのは百歩譲って仕方がないとして、予想のしっぱなしでその結果がどうだったか検証が全くされていない。PDCAサイクルに喧嘩売ってるわけ?」

「それから、どうして竜王戦の昼食予想をサボったの? 言ってごらんなさいよ」

「去年の『将棋ペンクラブ関東交流会の一日』っていう記事、前編で終わってるよね。後編はどうしたの?毎年書いていた『 将棋ペンクラブ大賞贈呈式の一日』も去年は書いてないよね。あれあれ、今年も書いてないじゃないよ。あらー」

「わっ、私の前でタバコを吸わないで」

とか言われそうなので、私の場合は遠慮しておいたほうが良さそうだ。

 

 

コメントを残す