将棋世界2003年5月号、読者の投稿ページ「と金パーク」より。
最近、市町村合併が全国的に話題になっておりますが、私の住んでいる町でも隣の野田市と住民のサービスを低下させることなく、両市町の均衡ある発展を目指すスローガンの基に進められ、今年の6月6日に合併することが決まりました。
「旧役場庁舎の利用をどうするか」の時に、我が関根金次郎支部は、中原誠永世十段と観戦記者の東公平さんにご同行を願いまして、昨年9月、両首長に、関根名人記念館の建設を要望いたしました。両市町の住民説明会、議会の議決を踏まえ、役場5階の3部屋を新市の市営として運営していただける運びになりました。ほっぺたをつねりたくなるような話で、大変うれしく思っております。
しかしながら、関根名人は明治元年のお生まれであり、関根家と地元に若干の品が残っている程度ですので、町では、関根名人ゆかりの品を探しております。展示品として、掛け軸、扇子、書、写真、盤、駒などを寄贈、もしくは貸与していただければ幸いです。
連絡先は千葉県東葛飾郡関宿町東宝珠花237関宿町役場、商工観光課(中略)
(千葉県 松尾師孝)
—————
今日、女流名人戦第3局が行われる関根金次郎記念館は、2004年4月1日に開館している。
野田市と関宿町の合併が2003年6月6日のことなので、合併してから10ヵ月の早さでオープンしたことになる。
—————
松尾師孝さんは、元・野田市土木部長、関根金次郎支部の前・支部長で、現在は野田市社会教育委員を委嘱され野田市将棋専門委員を務める。また、関根金次郎記念館で開かれている子供将棋教室でも活躍をされている。
この投稿の当時の松尾さんは関宿町役場に勤務されていたのだろう。
それにしても、合併後の旧役場庁舎の有効利用として記念館を作るというのは、絶妙のタイミングでの素晴らしいアイデアだったと思う。
松尾さんが地方公務員であったことも、将棋界にとっては幸いしている。
とはいえ、両首長への要望、両市町の住民説明会、議会の議決と、苦労は並大抵ではなかっただろう。
このような夢の実現、本当に素晴らしいことだ。
—————