中井広恵女流六段優勝

大和証券の女流最強戦で、中井広恵女流六段が見事に優勝した。

相手に穴熊を平気で組ませて、自らは銀冠。居飛車と振飛車逆ではあるが、大山康晴十五世名人の晩年の棋風を思わせる。

昨日の中継も良かった。

羽生名人と矢内女王の大盤解説の掛け合いが、うまく表現されていて臨場感があった。羽生名人の言葉が、将棋の神様の言葉のように思えた。

私は何度もテープ起しをやっているので、人の会話を文章にする難しさは知っている。なおかつ、時間が十分あるテープ起しではなく、早指しの中でのことだから、相当な苦労だったと思う。

中井広恵女流六段の挨拶も絶妙だった。

「皆様、本日は長時間にわたり観戦いただきありがとうございました。また、このような棋戦を作っていただいた大和証券さま、将棋連盟さまありがとうございました。ええと、こういったところに立つのは久しぶりでして周りからももっと頑張れと言われていました。優勝賞金は全額大和証券さまの口座に入れさせていただく予定です。すでに銘柄も決めています(笑)。本当にありがとうございました。私もポイントを貯めれば羽生名人に教わることができるのでしょうか(笑)。それでは失礼させていただきます。ありがとうございました」

それに対する、渡辺明ブログでのコメントも最高。

「優勝コメントによると、中井さんは優勝賞金を全額!大和証券の口座に入れて株を買う、とのこと。僕はケチなので、8分の1ほどしか入れていません(笑)
4月からは男子の第3回最強戦が始まりますので、頑張ります。連覇したら、半分くらいは入れないとまずいですかね」

同じ日のうちの反応。ネットならではの楽しさだ。

それにしても、清水市代女流王将の女流名人奪還、高橋道雄九段、井上慶太八段のA級復帰など、決して若手ではない棋士が活躍している。

とても心強いことだと思う。