将棋世界1992年4月号、共同通信社の中野正さんの第17期棋王戦第1局〔南芳一王将-羽生善治棋王〕観戦記「敗因不明の名局」より。
控え室では森五段、村山六段の師弟が検討していた。
森「▲5八飛? △3五歩であかんやないか。わしなら行くで・・・」
村山「羽生さんの棋風は△5二飛でしょう」
森「ほんなら賭けよか、百円・・・」
この勝負、軍配は弟子に上がった。
△3五歩は「▲5五歩△3六歩▲2五桂△4二銀▲5四歩△3七歩成▲5五銀△4七と▲5六飛△8二角▲3五角(参考図)で自信がない」と羽生。
(中略)
控え室には桐山、森、村山、林葉の”関係者”のほか、谷川竜王、小林八段、浦野六段、鹿野女流ら関西の精鋭の顔が見える。この日はバレンタインデー。二人の女流と、同伴で現れた浦野夫人からチョコレートの差し入れがあった。浦野夫人はかつて同ホテルに勤めており、3年前の棋王戦(谷川棋王に南王将が挑戦)で六段と知り合った。六段の”寄せ”は光速より速く、翌年はダブル、そして今年はトリプルで観戦に見えた。「恋の花咲く棋王戦」も、谷川、南に縁はないのか。
(以下略)
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この一戦は、午後1時の昼食休憩終了後から終局まで公開対局で行われた。
対局場は京都市の「都ホテル」(現在のウェスティン都ホテル京都)。
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森信雄五段(当時)と村山聖六段(当時)、師弟での控え室での検討風景。
将棋マガジンでは故・池崎和記さんが同じ対局の観戦記を書いている。
検討の場面での、池崎さんと中野正さんの切り口にそれぞれ個性が出ていて面白い。
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「恋の花咲く棋王戦」が浦野真彦八段なら、「恋の花咲く竜王戦」が島朗九段、「恋の花咲く全日本プロトーナメント」は森下卓九段。(対局場あるいは前夜祭会場で奥様と知り合ったケース)
1997年以降久しく途絶えている「恋の花咲く◯◯戦」が今後増えていくのかどうか、興味深いテーマだ。
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(昨晩の、1ヵ月で解ければ三段の詰将棋の解答)
▲3二飛△1三玉▲2四銀△同金▲2三飛△同金▲2二飛成△同玉▲2三角成△同玉▲1四角△2二玉▲2三金△3一玉▲3二金まで15手詰。