糸井重里さんと秋元康さんの将棋対談

近代将棋1993年12月号、故・池崎和記さんの「福島村日記」より。

 週刊アサヒ芸能の「秋元康のデメリット対談」に、糸井重里さんが登場している(10月21日号)。将棋が出てくるので紹介しよう。

糸井 将棋ってあれだけやってる人口が多くて、NHK教育テレビの将棋講座は3%の視聴率で、これ、不動の王者らしいんだよ。で、いろんな要素で将棋に火がつきそうなのに、まだ不完全燃焼してるでしょう。だから、いろいろコツコツやっていくと、みんなが将棋をおもしろがるかなって。将棋関係者にけっこう知り合いがいるもんで、「やってみようか」っていってるんですよ。

秋元 読者のおじさんたちは、「将棋かあ、ついにおれの時代がきたか」と思うんじゃないかな(笑)。

糸井 将棋のページのない週刊誌ってないもんね。でも、見せ方がけっこうルーチンワークになってて、「将棋はあったほうがいいんですよね」っていうことでページとってるじゃないですか。ああいうところをもう一息押してみたいんだよね。

秋元 ほう。

糸井 例えば将棋Tシャツって思いつかないじゃないですか。将棋の駒のTシャツってだれも着てないよね。でも、将棋Tシャツを作るとしたらどういうデザインだろうって考えるだけで、けっこういい頭の体操になるんですよ。だから、今年は無理だけど、来年ぐらいになって将棋をちょっといじろうかなと思ってます。

 対談にある「いろんな要素で将棋に火がつきそうなのに、まだ不完全燃焼してる」っていうのは、その通りだと思う。

 ブームというのは勝手に生まれるものではなく、送り手側が作り出すものだ。糸井さんの頭から、どういう「将棋」が出てくるのか、ちょっと楽しみだ。

—–

糸井重里さんは、NHK将棋講座1996年6月号での将棋講座講師の田中寅彦九段との対談で、将棋界をアピールする方法などについても語っている。

糸井重里さんが考えた、将棋界をアピールする方法

—–

将棋にまつわるTシャツは様々なものが販売されているが、既成の概念を突き抜けたような新しいTシャツがLPSAから販売されている(オンラインショップで8月20日から発売開始)。

その一つが「揮毫Tシャツ(将棋愛)」。

ネイビーの背中に白抜き文字で「将棋愛」と書かれており、揮毫は渡部愛女流初段。
将棋を愛するすべての人におすすめのさわやかなTシャツで、ライバルに自慢できる、他では手に入らないアイテムだという。

揮毫Tシャツ(将棋愛)

もう一つは「揮毫Tシャツ(将棋命)」。

黒地にシルバーの筆文字で「将棋命」と書かれており、揮毫は中倉宏美女流二段。

将棋がないと生きていけない…そんな熱いあなたにピッタリ!というTシャツで、大会に着ていけば気合が入ること間違いなし、団体戦のユニフォームとして最適であるという。

揮毫Tシャツ(将棋命)

今までありそうで無かった、非常にシンプルかつダイレクトで思い切ったTシャツだ。

将棋愛、将棋命、この三文字の中に、あらゆる思いが込められている。なおかつ、それぞれ渡部愛女流初段、中倉宏美女流二段の揮毫であるところが嬉しい。

このTシャツを着て外を平気で歩けるのだろうか、という課題は残るが、それは私が着た場合の問題であり、女性の方、あるいは海外の方が着た場合は、クールで格好いい装いになると思う。

21年の時を経て、糸井重里さんに、このTシャツの感想を聞いてみたいものだ。