昨日の、仙台市「茶寮宗園」で行われた王座戦第3局は、豊島将之七段が最後まで優劣の分からない中終盤の競り合いを制して、豊島七段の1勝2敗となった。
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羽生善治王座は、王座を初めて獲得した1992年以降、渡辺明二冠に奪取された2011年を除いて21期間王座を保持している。
その間の王座戦五番勝負での戦績は、昨日の第3局までで65勝17敗、勝率0.79。
この22年間で17敗しかしていないのだから圧倒的な戦績だが、私が個人的に気になったのは、この17敗のうちの少なくとも3敗が、私の故郷の仙台市での敗戦ということ。
仙台市が悪いわけではないけれども、仙台で生まれた私は何か申し訳ないような気持ちになってしまう。
そこで、調べてみた。
将棋棋士の食事とおやつは、タイトル戦での食事・おやつの履歴のみならず、対局場を一覧できる貴重なデータベース。
ここに収録されている2002年以降のデータを見てみると、
羽生王座の2002年以降の王座戦五番勝負の戦績は35勝10敗、勝率0.78。
このうち、仙台市での対局では0勝3敗。
ほかの都道府県では、
東京都 9勝1敗
神奈川県 6勝1敗
兵庫県 5勝0敗
山形県 3勝1敗
京都府 2勝2敗
大阪府 2勝0敗
新潟県 2勝0敗
北海道 0勝1敗
岩手県 1勝0敗
山梨県 1勝0敗
静岡県 1勝0敗
滋賀県 0勝1敗
福岡県 1勝0敗
長崎県 1勝0敗
中国 1勝0敗
やはり仙台での3敗が大きい…
2002年以降の羽生善治四冠のタイトル戦での都道府県別戦績も集計してみた。
全体では180勝109敗1持将棋(0.62)、都道府県別では次の通り。
01 北海道 9勝7敗1持将棋
02 青森県 3勝1敗
03 岩手県 5勝0敗
04 宮城県 0勝4敗
05 秋田県 0勝1敗
06 山形県 7勝4敗
07 福島県 2勝3敗
08 茨城県 0勝1敗
09 栃木県 5勝3敗
10 群馬県 -
11 埼玉県 1勝0敗
12 千葉県 3勝1敗
13 東京都 13勝7敗
14 神奈川県 18勝9敗
15 新潟県 10勝3敗
16 富山県 -
17 石川県 1勝3敗
18 福井県 0勝1敗
19 山梨県 1勝2敗
20 長野県 3勝0敗
21 岐阜県 0勝1敗
22 静岡県 14勝12敗
23 愛知県 11勝6敗
24 三重県 3勝2敗
25 滋賀県 6勝2敗
26 京都府 4勝3敗
27 大阪府 7勝1敗
28 兵庫県 16勝7敗
29 奈良県 1勝0敗
30 和歌山県 1勝4敗
31 鳥取県 1勝0敗
32 島根県 4勝2敗
33 岡山県 0勝1敗
34 広島県 1勝0敗
35 山口県 1勝3敗
36 徳島県 7勝4敗
37 香川県 -
38 愛媛県 2勝1敗
39 高知県 -
40 福岡県 9勝2敗
41 佐賀県 1勝1敗
42 長崎県 5勝2敗
43 熊本県 2勝3敗
44 大分県 2勝1敗
45 宮崎県 0勝1敗
46 鹿児島県 1勝0敗
47 沖縄県 -
羽生四冠が2敗以上負け越しているのは、
宮城県の0勝4敗、和歌山県の1勝4敗、石川県の1勝3敗、山口県の1勝3敗、の4県。
伊達藩、前田藩、毛利藩のような大手外様大名の地での戦績が良くないという解釈も考えられるが、和歌山県は紀伊徳川家だ。
一方、岡山県では2002年以降0勝1敗だが、「将棋棋士の食事とおやつ」には岡山で行われた1996年の竜王戦で羽生四冠が敗れている記録も収録されている。これも入れれば岡山で0勝2敗。
宮城県は中原誠十六世名人の、岡山県は大山康晴十五世名人の出身地。
十六世名人と十五世名人の出身地での戦績が良くない、という解釈も考えられる。
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羽生四冠がタイトル戦で勝率が高いのが、大阪府、福岡県、岩手県、長野県、新潟県、滋賀県、東京都、神奈川県、兵庫県など。
東京都、神奈川県、兵庫県など、対局数の多い都県で勝率が高いことが大きい。
反面、対局数が多いものの静岡県だけはそれほど勝率が高くない。
そういう意味では、東京と愛知県を除く、茨城県、静岡県、和歌山県という徳川家とゆかりの深い県での勝率が他の県と比べて高くない、という解釈は成り立つかもしれない。