女流棋士対各界将棋天狗

将棋世界1983年8月号、「女流棋士対各界将棋天狗 お手並み拝見」〔山田久美女流初段VS森本レオさん〕。解説:森雞二八段(当時)、記:たつの香太さん。

 森本レオさん―二枚目でもなく、それでいて三枚目でもない。ちょっととぼけた、味のある演技でテレビや映画に大活躍している俳優さんだが、このレオさんが芸能界では一、二を争う将棋の強豪であることは知らない人が多いかもしれない。

 そもそも、昔から芸能界には将棋を指す人は多い。緊張の続く出演の合い間の空き時間などに将棋はかっこうの息抜きになるのがその理由らしい。

 萩本の欽ちゃんに丹波哲郎さん、小松方正さん……みんな立派な有段者である。その他にも新沼の謙ちゃんに牟田悌三さん、吉田拓郎さんに井上陽水さんと、将棋ファンを数えたらきりがない。

 それどころか、伊藤果五段によると(伊藤五段は芸能関係の交際が広く、レオさんの将棋の師でもある)なんと、女優の木内みどりさんや烏丸せつこさんまで将棋を指すのだそうだ。

(中略)

 それはともかく、伊藤五段の話では、現在の芸能界の強豪といえば、荒木一郎さん、森本レオさん、岡田裕介さんといったところがトップクラスで、みなさんアマ四段くらいは指すそうだ。

(中略)

 レオさんは10年ほど前まで、名古屋で深夜放送のDJをやっていた。中部地方だけだったけれど、高校生などにはけっこう人気があったものだ。その後俳優として東京に出てくることになるが、将棋もその時に始めたのだそうだ。

 当時将棋の好きなシナリオライターの友人が、ノイローゼにかかってしまい、その友人と少しでも話をするためにレオさんも将棋を指すようになったのだという。見かけのとおり、やさしい人なのだ。

 そしてレオさんを強くしたのが長門裕之さん、長門さんの麻雀好きは有名だけれど、将棋もアマ三段の腕前。その長門さんがレオさんの将棋好きを知って喜び、毎日のように将棋を教えてくれたのだそうだ。

 ただし「長門さんには3ヵ月でトントンになりました」とレオさん。この間のレオさんのうち込み方はなんとなく想像がつく。

(以下略)

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1999年と2000年に将棋ペンクラブ主催で「文壇将棋名人戦」が開催され、1999年に森本レオさんが優勝している。

フジテレビ系の人気ドラマ「ショムニ」に森本レオさんが出演された翌年のことだった。

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森本レオさんを初めて見たのはTBS系ドラマ「好きすき魔女先生」。

最初は学園ドラマ風だったのが、後半から変身アクションヒロイン系ドラマに変わった作品だった。

私は個人的に主人公の菊容子さんのファンだったのだが、放送の3年後の1975年、菊容子さんは結婚を前提に交際していた俳優に殺されている。まだ24歳の時。当時はかなりショッキングな事件だった。

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荒木一郎さんは昔の人なら誰でも知っている歌手・俳優。

現在は、音楽プロデューサー、実業家、小説家、マジック評論家、カードマジック研究家などとして活躍をしている。

「日本将棋用語事典」をプロデュースしたのも荒木一郎さん。

編集委員、編集強力、監修がそれぞれ超豪華布陣。

日本将棋用語事典

荒木一郎さんが作詞した曲に「負犬の唄(ブルース)」がある。作曲は平尾昌晃さん、編曲は竜崎孝路さんで川谷拓三さんが歌っている。

テレビ朝日系ドラマ『必殺からくり人』、『必殺からくり人・血風編』の主題歌だった。

哀調を帯びた曲調もさることながら、歌詞が泣かせる。

1番も泣けるし2番も泣ける。

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