将棋世界2005年3月号、日浦市郎七段(当時)の第31期女流名人位戦〔清水市代女流名人-千葉涼子女流三段〕第1局観戦記「明暗くっきりの開幕戦、清水先勝」より。
前夜祭の事である。棋士や主催の報知新聞社、特別協賛のアルゼ(株)、西会津町などの関係者が集まり、パーティーが開かれていた。
途中で対局者が明日の対局のために退席して、終わりに近づいた頃、対局の予想ということで僕と山田久美三段が壇上にあがって、戦型や展開について話をしていた。
そのとき、突然「ちょっと私に一言言わせてください」と言いながら近づいてくる一人の男性が……。よく見ると立会人の石田和雄九段ではないですか。ビールで少し顔を赤くしている石田先生にマイクを渡すと、先生「千葉さんは最近将棋が変わりました。結婚して寝技を覚えたんですよ」。本当に一言だけ言って席に戻っていきました。
さて、女流名人位戦では毎年恒例となっている福島県西会津町での第1局である。
(以下略)
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誰からも愛される石田和雄九段の、絶妙の瞬間スピーチ。
非常に真摯でユーモラスなキャラクターの石田和雄九段だからこそ成立する。
会場は大いに盛り上がったのではないだろうか。
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2005年12月に放送されたNHK杯戦、高橋道雄九段-郷田真隆九段戦。この時の解説が石田和雄九段で司会が千葉涼子女流三段(当時)。
下のYoutubeの映像の28:00のところからをぜひご覧いただきたい。
名調子の石田節と、千葉流、それぞれの個性が十二分に発揮されているやりとり。
当時、リアルタイムで見ていた私は、声を出して笑ってしまったほどだった。
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