続・錯覚いけないよく見るよろし

先日、将棋ウォーズで対局をしていて、かなりショッキングなことがあった。

1図。後手の△4五角に対して私が6七の角成りを受けつつ▲8五角と打った局面。

私はこの変化には結構自信があり、勝率も悪くない。

1図からは、

  1. △8四歩▲6三角成△5二金右▲6四馬△6二飛▲4六馬
  2. △2七角成▲6三角成
  3. △5二金右(または△6二銀)▲3八銀

のいずれかの変化となる。

しかし、1図からの後手の指し手は△6七角成。

「なんだ、角を成ってきたのか」と思い、私は▲6三角成。

▲6三角成と指して気がついた。

△6七角成は只で取れていたじゃないか……

△6七角成などありえない手だと思い込んでいるから、指されても、「6三を受けないのなら▲6三角成だ」と条件反射的に手拍子で角を成ってしまったという流れ。

この対局はショックが尾を引いて、負けてしまった。

対面での対局なら気が付いていただろうが、ネット対局ではこのようなことも起こってしまう。

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もう一つの私の錯覚が昨日の記事。

佐藤康光九段は、対局で勝った時に注文したメニューを連続して採用する傾向があり、逆に、敗れた時のメニューはそのようなことはなく、そういう意味でも「冷やし中華と餅」は二度と注文されない可能性がある。

と書いたが、昨日、記事にコメントをいただいて、佐藤康光九段が、その3日後のA級順位戦〔佐藤康光九段-三浦弘行九段戦〕の昼食でも「冷やし中華と餅」を注文していたことを知った。

私も記事を書く前に、7月7日のA級順位戦の中継を見直して、夕食は佐藤九段「チキンカツ定食」、三浦九段「力うどん」であることは確認していた。

昼食も確認しておこうと少し思ったのだが、

  • 佐藤康光九段が、負けた対局で注文したメニューを続けて頼むはずがない
  • 「冷やし中華と餅」は、味の面で後悔しているのではないか

という私の強い先入観があったため、昼食まではチェックしなかった。

それが敗因だった。私としては珍しいチェック漏れ。

3図の▲6三角成もそうだが、強い先入観は、百害あって一利なし、の好例だと思う。

意志の強い佐藤康光九段。「佐藤康光九段は、今夏中、冷やし中華を頼んだ時には必ず餅を付ける」と予想しておこう。

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どうも、私はこの2年間、錯覚分野では全然進歩していないようだ。

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