羽生善治二冠は仙台と相性が悪いのかどうかの検証

昨日行われた王座戦五番勝負第1局は、羽生善治王座が中盤で優勢となり、終盤では勝勢の場面が何度もあって、ネット中継では「熱戦に終止符が打たれようとしている」と書かれた局面があったほど。

しかし、中村太地六段の驚異的な粘りに羽生二冠が誤り、185手で中村太地六段の勝ちとなった。

一局を通しては、互いに何度か勝ち筋を逃していたということだが、感想戦での検討で、投了図で羽生王座が△2三桂と受けていれば千日手になっていたという結論。

ニコニコ生放送で、屋敷伸之九段も解説していたが、対局開始後14時間経った時点での1分将棋では見つけるのが困難だったのだろう。

王座戦第1局中継

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今日の本題はここからで、私が気になったのは羽生二冠が仙台市で行われた対局での勝率が非常に悪いのではないかということ。

仙台市出身の私としては、どうしても申し訳ないという気持ちになってしまう。

玲瓏:羽生善治 (棋士)データベース」で調べて見ると、羽生二冠の仙台市での対局は昨日の敗局も含めて3勝6敗で、勝率は0.333。

2017/9/5 王座戦第1局 中村太地六段 ●
2015/10/6 王座戦第1局 佐藤天彦八段 ○
2014/9/30 王座戦第3局 豊島将之七段 ●
2013/9/4 王座戦第1局 中村太地六段 ●
2012/8/29 王座戦第1局 渡辺明王座 ●
2006/4/19 朝日OP第2局 藤井猛九段 ●
2000/2/20 棋王戦第2局 森内俊之八段 ●
2000/2/8 王将戦第4局 佐藤康光名人 ○
1998/2/24 棋王戦第2局 郷田真隆六段 ○

5局以上対局している都道府県で羽生二冠の勝率が悪いのは、

山梨県 2勝3敗(0.400)
和歌山県 2勝4敗(0.333)

もあるが、今世紀に入ってからの羽生二冠の仙台市(宮城県で行われた対局の全てが仙台市)での戦績は1勝5敗(0.167)。

やはり、羽生二冠にとっては勝率的に日本で一番相性の良くないのが仙台市(宮城県)であるという結論になってしまう。

対局時の昼食、夕食も見てみたい。(将棋棋士の食事とおやつのデータ)

〔仙台ロイヤルパークホテル〕
2017年王座戦第1局 シーフードピラフ、おにぎり ●
2015年王座戦第1局 シーフードピラフ、ミックスサンド ○
2013年王座戦第1局 海鮮焼きそば、ミックスサンドイッチ ●

〔茶寮宗園〕
2014年王座戦第3局 親子丼、おにぎりセット ●

〔ホテルメトロポリタン仙台〕
2012年王座戦第1局 特製牛タンシチュー、海鮮焼きそば ●

食事については特に傾向は見られない。

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しかし、冷静になってデータを見てみると、

  • 羽生二冠が仙台市で敗れたタイトル戦(朝日オープンを含む)では、全て防衛または奪取、優勝している
  • 仙台市で勝ったタイトル戦では全て防衛

の2つの事実が判明した。

そういう意味では、羽生二冠と仙台市の相性は大局的には悪くないという結論になると考えられる。

この結論が覆されるか、やはり鉄壁の結論なのか、今期の王座戦五番勝負を見守りたい。