棋士が編み出したボケ防止法

将棋世界1985年4月号、加藤治郎名誉九段の「この面白い芝居からは、目が離せないねえ」(前編)」より。聞き書きは香太さん。

 ボケを防ぐ方法として、これは前からやってるんだけど、車のナンバープレートの数字が4つあるでしょ。これを、はじめの3つの数字を足したり、引いたり掛けたり、割ったり、二乗したりしてね、答えが最後の数字になるようにする。難しいのもあるよお、うちの近くに7318という車があるんだけど、これはちょっとやそっとじゃできないよ。どうかね、えっ、こういうのは苦手かあ。答えはこうやるんだ。3を二乗して9にする。それと7を掛けて63。63に1足すと64でそれをルートすると8になるというわけだ。

(中略)

 これでボクの発見した公式もあるんだ。これなら道歩いてても、どこでもできるからね。特にいいのは渋滞の時ね。いっくらでも車が来るからね。(笑)

 これは数学的な頭の体操でね、もう一つ文学的な頭の体操というのも考えた。それはね、地下鉄なんかに乗ると駅名がローマ字で表示してあるんだよ。例えば明治神宮前ならMeijijingumaeというようにね。ボクの考えたのはそのアルファベットをばらして、別の文句をつくるんだ。これは面白いね、いろんなのができるから。

(以下略)

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加藤治郎名誉九段は、戦前、早稲田大学を卒業してプロ棋士になったという、当時としては非常に異色の経歴を持つ。

将棋ペンクラブの初代名誉会長でもある。

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4桁の数字の前3桁の数字を加減乗除などして4桁目の数字にする。

これは手軽にできて、なおかつ頭も活性化しそうな計算だ。

ただし、運転中の人は絶対にやってはいけない。

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私の誕生日は12月9日。1209として、(1+2+0)の二乗で9になるというような要領。

トヨタ自動車の昨日の株価が6,235円。これは意外と簡単で、6+2-3=5。

日本将棋連盟の住所は東京都渋谷区千駄ヶ谷2-39-9。2399として、9/(3-2)=9

私が若い頃の大ファンだった菊池桃子さんの誕生日が5月4日で0504。

これは難しい。しかし、昔、0の0乗は 1と教えられたので、5-0の0乗=4

頭脳の訓練・活性化なので、cos0=1、log1=0などの関数による変換はあまり使いたくないが、0002のようなケースでは使わざるを得ないだろう。(0+cos0+cos0=2)

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ローマ字の並び替えは難しそうだ。どの文字が何個あったかを頭の中に入れるだけでも難儀なことだ。

Meijijingumaeの並び替えを頭の中だけで考えられるのは棋士にしかできない技だと思う。

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ボケ防止に有効と言われる方法は諸説あって、決定打は出ていない状況だが、どちらにしても、この2つの方法は将棋の読みと同種の脳力を使うものなので、将棋にも有効かもしれない。

…というか、将棋や囲碁がボケ防止には一番良いようにも思える。

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加藤治郎名誉九段

棋士たちの海水浴

戌年生まれの棋士による「戌年の会」

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