Facebookのデータから非常に熱心な将棋ファンの人口を推計する(2018年版)

2016年5月に「Facebookのデータから非常に熱心な将棋ファンの人口を推計する」という、Facebookのデータから将棋に関心を持っている人数を推計する記事を書いた。

その後、将棋ソフト使用疑惑冤罪事件、藤井聡太六段フィーバー、羽生善治永世七冠国民栄誉賞受賞を経て、最近では新聞やテレビで毎週のように将棋が取り上げられるようになってきた。

一昨年と比べて、将棋が趣味だったり関心を持つ人がどれくらい増えたのか、調べてみたい。

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Facebookで広告を出稿する際に使用するメニューがあり、ここでは広告のターゲットを指定することができる。

主なものとしては地域、年齢だったりするが、その中に趣味・関心という項目がある。

「将棋」を指定すると、潜在リーチ(日本在住の人のみ。潜在リーチはその条件に合致したアクティブな利用者数)は41,000人(一昨年は23,000人)。

一方、Facebook全体の潜在リーチ(アクティブな利用者)は2500万人(一昨年は2400万人)。

Facebook利用者の中で将棋が趣味だったり関心を持っている人の割合は、Facebook利用者全体の約0.164%(一昨年は約0.096%)。

増加率を計算すると、

0.164÷0.096=1.71

Facebookがどのようにして将棋の潜在リーチとして判断しているのかはわからないが、なんと、一昨年比、約1.7倍に増えていることがわかる。

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年代別には次の通り。(総合はFacebookのアクティブユーザ数。男性と女性を足して総合の数字と合わない箇所もあるが、Facebookの数値をそのまま転記。単位は人)

年齢将棋計将棋男将棋女総合男性女性
10代 ー ー ー  86万  46万  41万
20代  6,000  4,000  3,000670万320万350万
30代  8,000  4,000  4,000690万330万350万
40代12,000  7,000  5,000560万300万260万
50代   9,000  6,000  3,000320万180万130万
60代+   6,000  4,000  2,000150万   99万   53万
合計41,00024,00017,0002500万1300万1200万

40代を中心として30代、50代が多い。10代は1,000人未満なので実数は不明。これはFacebook全体の10代アクティブユーザ数が激減(一昨年比66%)していることから。

ちなみに、20代のFacebook全体のアクティブユーザ数も89.7%と減っている。逆に30代以降、年齢層が高くなるほどFacebook全体のアクティブユーザ数は増えている。

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その年代のFacebook利用者全体に占める将棋の潜在リーチの割合を求めると次のようになる。

年齢将棋(合計)将棋(男性)将棋(女性)
10代
20代0.09%0.13%0.09%
30代0.12%0.12%0.11%
40代0.21%0.23%0.19%
50代0.28%0.33%0.23%
60代以上0.40%0.40%0.38%
合計0.16%0.18%0.14%

この割合を一昨年と比較すると(=正規化された増減)、

年齢将棋(合計)将棋(男性)将棋(女性)
10代
20代      120.49%      90.43%      417.86%
30代      139.13%      88.15%      353.25%
40代      180.45%   140.00%      336.54%
50代      250.00%   202.90%      559.62%
60代以上      366.67%   264.46%   1293.02%
合計      171.13%   116.60%      399.57%

女性全体で一昨年比399.57%。2年の間に約4倍になっていることがわかる。

また、男性では年齢が高くなるほど、将棋に興味を持ち始めた人が増えている。

逆に、男性の20代、30代が、正規化した数字上でも減っているのがやや気になるところ。

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日本の人口が今年の3月1日時点で1億2652万人。

Facebook全体の潜在リーチが2500万人なので日本の人口の約5分の1。

非常に乱暴に計算すれば、日本全体での熱心な将棋ファンの人口は205,000人と見ることができる。(一昨年計算時は約115,000人)。

実際にはもっと多いような感じもするが、とりあえずの計算ではこの数値。

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藤井聡太六段フィーバー、羽生善治永世七冠国民栄誉賞受賞などをきっかけに、特に女性の将棋ファンがかなりの勢いで増加している。

具体的にどのような方法が良いのかは現時点で思いつかないが、女性将棋ファン向けの各種企画やイベントは、今後ますます重要な位置付けにしなければならない分野だと思う。

 

 

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