将棋世界1988年12月号、青島たつひこ(鈴木宏彦)さんの「駒ゴマスクランブル」より。
10月13日、脇謙二六段と関西棋院二段の囲碁棋士、荒木真子さんの結婚式が大阪のロイヤルホテルで行われた。
谷川名人は「脇さんの歌を聞いても二人の仲が壊れなかったのだから、今後の夫婦生活もきっとうまく行くと思います」と、心暖まるスピーチを贈ったそうだ。
ところで脇夫人となった真子さんは、いうまでもなく囲碁のプロ棋士。脇六段は囲碁が趣味で、関西棋院の棋士達と囲碁、将棋の交換教授などをしているうちに二人は親しくなったらしい。問題の脇夫妻の手合だが、口の悪い関西若手棋士によれば「奥さんが本気を出せば、井目でも脇君が苦しい」というところであるらしい。
将棋の棋士といえば昔から碁も強いことになっているのだが、奥さんがご主人に井目置かせちゃうというのは、さすがにかつてないケースだろう。真部八段や河口六段と脇夫人が碁の対局をしたら面白いと思うが、そういうのはご主人が許さないのでしょうね、やっぱり。
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脇謙二六段(当時)の歌がメロディーとほとんど合っていないということは、次の記事に書かれている。
カラオケが苦手な人でも、脇六段の歌を聞くと自信が出て、自分も歌ってみようかなと思ってしまうほどだったという。
→谷川浩司名人(当時)「歌わないと感想戦のとき一言もしゃべりませんからね」
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「脇さんの歌を聞いても二人の仲が壊れなかったのだから」
古今東西、歌が下手すぎて、そのことが理由で破局に至った恋などあったのだろうか。
あったらあったで、そのような歌をぜひ聴いてみたいものだと思う。
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脇八段の独身時代は、面白いエピソードが多い。