昨日行われた、里見香奈女流名人の「第三十六期女流名人位戦表彰式」に参加した。
開始は11:30から。
11:10、信濃町の駅を出ると、石橋幸緒女流四段とお母様に遭遇した。
お母様は別の場所に寄るということで、石橋女流四段と立ち話をしながら会場である明治記念館へと向う。
石橋女流四段は、「秋葉原将棋センター」のことが1990年代から気になっていたようで、三日前から昨日までのこのブログの記事を面白く読んでいただけたということだ。
私が書いた文章ではないが、その言葉を聞いてとても嬉しくなった。
11:15に会場へ到着。
里見香奈女流名人の師匠である森けい二九段は、普段は格好の良い二枚目俳優のような感じなのだが、この日はメロメロの笑顔だった。
森九段は、里見女流名人とは100局以上指導将棋を指したという。
11:30から表彰式。
大勢の人が来場している。
棋士では、私が確認できただけでも
米長邦雄会長、 西村一義九段、青野照市九段 中川大輔八段、上野裕和五段、西川慶二七段、
深浦康市王位、大内延介九段、安恵照剛八段、鈴木輝彦七段、
矢内理絵子女王、関根紀代子女流五段、斎田晴子女流四段、山田久美女流三段、 高群佐知子女流三段、古河彩子女流二段、本田小百合女流二段、安食総子女流初段、野田澤彩乃女流1級、
谷川治恵女流四段、宇治正子女流三段、高橋和女流三段、伊藤明日香女流初段、
蛸島彰子女流五段、多田佳子女流四段、藤森奈津子女流三段、中井広恵女流六段、大庭美樹女流初段、石橋幸緒女流四段、中倉宏美女流二段、大庭美夏女流1級、松尾香織女流初段、
北尾まどか女流初段、
が出席。
表彰式は、
はじめに報知新聞社の岸洋人代表取締役社長からのあいさつ。
岸社長は出雲市の隣の松江市出身。里見女流名人と故郷の話を結びつけた素晴らしいスピーチだった。
「出雲のイナズマ」では何なので、この機会に、もっと女性らしいキャッチフレーズを考えてはという提案もあった。
次に、米長邦雄会長からのあいさつ。
男性棋士のタイトルを獲得する気概でこれからも頑張ってほしいと里見女流名人を激励。
4月2日には、女流棋士会ファンクラブ結成、コンピュータソフトVS女流プロ棋士についての発表があるということだった。
そして、里見女流名人に、賞状、目録、記念品などが、主催の報知新聞、米長会長、特別協賛の株式会社ユニバーサルエンターテインメントから授与された。
里見女流名人は、高校の制服姿で表彰式に臨んだ。蝶結記者の表現を借りれば、この三年間の戦闘服である。
4月以降は、この制服姿を見ることはできなくなるので、そのような意味でも制服姿での登場はとても貴重なことだと思った。
その後、別の部屋で祝賀パーティー。
乾杯の音頭は森けい二九段。
美味しい料理や飲み物で歓談。
里見女流名人へ挨拶する人が絶えなかった。
長岡出雲市長からは、島根県では理容店に将棋が置かれるほど、里見効果によって将棋熱が高まってきていること、将来的には里見香奈将棋記念館を置くことも検討したいと話があった。
また、報知新聞の岸社長と同じく、「出雲のイナズマ」ではない大人の女性に似合うようなキャッチフレーズの誕生が望まれるという希望も出されていた。
第2局が行われた野田市の根元市長からは、関根金次郎十三世名人の出身地である野田市が将棋を重要な位置付けとしてとらえていること、来期も野田市を対局場としてほしいなどの話があった。
今年の名人戦第3局も野田市で行われる。
今回の表彰式は、第2局の観戦記を書いた湯川恵子さんから誘っていただいたのだが、湯川さんは、第2局での野田市および関根金次郎支部の方々の活躍を絶賛していた。
前夜祭および対局日の昼食(豪華松花堂弁当)なども、すべて野田市が手配したという。この力の入れ方には頭が下がる。
あっという間に時間は過ぎて13:30頃。
里見女流名人からのあいさつがあった。
一言一言、しっかりとして素晴らしい内容。
将棋を強くなることはもちろんのこと、女流名人として相応しい行動をとれるよう頑張りたいとの話が印象的だった。
今後の対局時に着る服は、どのようなものが良いかは決めてはいないが、徐々に決まってくるだろうとの話も。
第3局が終わった時に森九段にご馳走になった「うな重」が非常に美味しかったこと、また師匠にご馳走してもらえるよう頑張りたい、との締めも良かった。
この日の東京は花冷えであいにくの天候だったのだが、里見女流名人の18歳の新しい門出は、明治記念館の外に桜が咲き始めているような気分になるほど、輝いているように感じた。