山崎隆之六段(当時)のボヤキ

山崎隆之七段のボヤキ2連発。

近代将棋2005年8月号、故・池崎和記さんの「関西つれづれ日記」より。

5月某日

王位戦リーグ(白組)の佐藤康光-山崎戦を観戦。佐藤棋聖3連勝、山崎六段1勝2敗で迎えた4回戦である。

(中略)

図は「後手一手損角換わり」から迎えた中盤で、山崎さんが3五にいた銀を4六に逃げたところ。

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この1手前の△2五飛成(2八から引いた)を山崎さんはウッカリしていて、対局中に「△2五飛成を見落とすかなァ」とぼやき、「負けたら▲1五歩(図の10手前に指した手)が悪手です」と僕に自戦解説までしてくれた。

だから僕は後手優勢と信じ込んでいたのだが、局後、二人の感想を聞いて卒倒しそうになった。山崎さんは「これ(▲4六銀)で難しい」と言い、佐藤さんも「考えているうちに、ひょっとしてこっちが悪いかと思った」と言ったのだ。

こういうことがあるから、棋士のボヤキをナイーブに信じてはいけない。ボヤキといえば石田九段が有名だが、棋界関係者の間では「石田先生がぼやくのは形勢がいいとき。本当に悪いときは何も言わない」というのが通説になっている。というわけで、これからは山崎さんを”石田二世”と呼ぶことにしよう。

(実戦は△3八歩成▲同角△5二金▲2六歩△同竜▲2七歩△2五竜▲5二角成△同玉▲2六金△3四竜▲3五歩△2四竜▲3六金△2八角、以下、佐藤九段の勝ち)

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5月某日

隣室では山崎六段が畠山鎮六段と王将戦予選を戦っている。その山崎さんが控室にやってきて、僕に「楽天(プロ野球球団)の勝率はどうなってますか」と聞いてきた。

僕は野球ファンではないので勝率までは知らないけど、楽天が最下位で低迷しているのはもちろんテレビや新聞の報道で知っている。で、「ボロボロでしょう。30敗くらいしてるんじゃなかったかな」と答えたら、山崎さんは「前に楽天の勝率みたら僕(の今期勝率)と一緒くらいだった」と笑う。

う~む。これが言いたかったのか。

しかし、それにしても苦いジョークである。新年度に入ってから山崎さんは調子を落とし、各棋戦でよく負けていた。4月が1勝7敗で、羽生さんに挑戦した朝日オープン5番勝負も3連敗だった。ただ、この日の対畠山戦は勝ったから、これからまた調子を取り戻していくだろう。

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棋士別成績一覧の記録によると、山崎六段はこの後、対畠山戦を含めて6連勝、8月から12月にかけては14連勝と、見事に復活する。

自虐ネタが出るようになれば復活の兆しあり、ということなのかもしれない。

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バトルロイヤル風間さんのカラー色紙第2弾、いわゆる広島の将棋ファンリクエストシリーズ第2弾は、1957年の名人戦。

大山名人に髪型があった!色紙イラスト、第16期名人戦、対升田幸三。