「そうか・・・ で、今日は勝ったん?」

将棋世界2002年6月号、神吉宏充六段(当時)の「関西のことなんでもしゃべりまっせ」より。

 兄妹でプロ誕生! 村田智弘四段と村田智穂女流2級の祝賀パーティーが、4月14日の日曜日、兵庫県高砂市の鹿島殿で百数十人のファンを集めて盛大に行われた。出席した棋士は師匠の淡路仁茂九段を筆頭に、井上慶太八段・久保利明七段・神崎健二七段に私、それにゴルフのプロの高松志門さんが駆けつけた。

(中略)

 そうそう、その淡路先生の祝辞の中で面白い話があったので紹介しよう。

「先日、森下卓八段と話したんですが、最近は勉強する時間が大事だと言ってましたネ。それも7時間・8時間ぐらいの奨励会員はダメなんだと言うんです。毎日最低13時間は勉強せんとアカンのらしいですわ」

 ふーむ、それがホンマやと、朝9時から深夜12時までみっちり勉強しなければならないことになる。隣にいた久保七段に「久保君はパチンコやったら、それぐらい出来るんとちゃう?」とからかうと、真顔で「そんなに出来ませんよ。パチンコ狂みたいじゃないですか! ボクはそんなにパチンコ行ってませんよ」

「そうか・・・ で、今日は勝ったん?」

「負けました」

 この後パーティーも盛り上がって、最後は兄妹から抽選で色紙のプレゼント。

(以下略)

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久保七段(当時)のノリが、将棋と同様に非常に軽妙で微笑ましい。