羽生善治二冠、森内俊之名人、佐藤康光九段が所属していた、伝説の「島研」。
将棋世界1998年9月号、「佐藤康光新名人誕生記念 対談 島朗八段&佐藤康光名人」より。島朗八段と佐藤康光名人が語る「島研」のプライベートな部分。
―将棋以外で行動をともにするようになったのはいつころからですか。
島 他の遊びをするようになったのはかなりあとでしょう。
佐藤 遊びというか洋服屋さんに連れていっていただいたこともありました。
島 洋服が僕の一番の趣味だったころで。
佐藤 一人10万円ずつ持ってきてと言われて買いに行ったことがありましたね(笑)
島 私がまだ洋服に狂う前でクレジットカードをまだ使ってなくてね。まあ使いだしたころはもう病気になっていたんですけど。まだみんなクレジットカードを持つ年齢じゃなかったので、じゃあ現金の方が手堅い買い物が出来るということで。
みんな学生だったので、例えばスーツとか着てくると誰かが白い靴下履いていたのを覚えているんですよ。対局の時とか靴下はすごく目立つでしょ。でも若いからいいんだけど、やっぱりその頃私も結構ファッションの勉強をしていたので、いずれこうしたことも勉強しといた方がいいだろうというわけで、普段将棋を教えてもらっているからかわりにそれぐらいは私が教示しようという感じで・・・。
佐藤 白い靴下と、あと、なかのノースリーブというか半袖でないシャツってありますよね。それは着ちゃいけないって教わった記憶があるんです。
島 そんなこと言いましたっけ。
佐藤 言われました(笑)。僕はそれ以来そのシャツは持ってないです。夏でもちゃんとアンダーシャツは半袖を着ています(笑)。
島 いやそんなことは覚えてないなあ(笑)。ボタンダウンのボタンを誰かがしてなかったのは覚えてるんですよ。
佐藤 僕もそれは教わりましたけど。
島 でも結構おとなし目の洋服を薦めた記憶がありますよ。
佐藤 そうですね。地味でしたね。
島 トラッド系のとか。私はよくアルマーニ島と言われていたけど、基本的にはおとなしいファッションが好きなんで。だからまだみんなは親と一緒に住んでいる頃が多かったので、家に帰ってお母さんに「なにこの服」って言われるのもなんかあれなんで。それでおとなしめの服を選んだ記憶があります。
(以下略)
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私が社会人になった時に一番参考になった先輩のアドバイスは、ワイシャツの一番上のボタンを必ず締めるということ(ネクタイをする前提で)。
慣れるととても心地良いし、気持ちもネクタイの位置も落ち着く。
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将棋世界1996年2月号のバトルロイヤル風間さんの4コマ漫画「吉川十和子が何だ」が面白い。
1コマ目
左に吉川十和子、右に影の人物。
影の人物「君を人間扱いしないキミジマブランドなんかおやめなさい」
2コマ目
(影の人物は島八段だった)
島八段「君にはシマブランドのが似合うよ」
吉川「ま[E:heart01]」
3コマ目
(格子模様のドレスを着た吉川十和子)
島「どお?」
吉川「将棋をモチーフにしたチェック!! ステキ[E:heart02]」
4コマ目
(”復活 島研”の看板がかかった部屋で、島八段が吉川十和子を仰向けにさせて、格子模様の服を盤に見立てて将棋を指している)
島「美人で対局できていいでしょ」
吉川「人間扱いしろ」
意地悪そうに笑う羽生六冠、ニヤリとしている森内八段、ニコニコした佐藤(康)七段、が周りを取り囲む。
吉川十和子さんのこの頃の時代背景が盛り込まれた名作漫画だ。