NHK将棋講座2015年11月号「佐藤天彦八段-郷田真隆王将戦」

明日は、NHK将棋講座2015年11月号の発売日。

◯表紙は、永瀬拓矢六段。

◯グラビアは、「第49回東急将棋まつり 見て、指して楽しむ将棋界のライブ」。7月30日から8月2日まで行われた東急将棋まつりの8月1日の模様。(渡辺明棋王、加藤一二三九段、戸辺誠六段、野月浩貴七段、中村太地六段、佐々木勇気五段、増田康宏四段、伊藤明日香女流初段などが出演)

◯「あなたの知っている/知らない」は、永瀬拓矢六段の登場。編集部からの永瀬六段への質問、前回登場の鈴木大介八段から永瀬六段への質問、次回登場の佐々木勇気五段が永瀬六段を語る、の三部構成。永瀬六段が非常にしっかりとした考え方と意志を持っており、とても頼もしい。

◯渡辺明棋王の「渡辺流 勝利の格言ジャッジメント」、11月は、金、銀にまつわる格言と格言プラスアルファ。格言と実戦例を通して現代将棋の考え方を自然と学ぶことができる講座。その中に、「銀がいちばん好きだという棋士が多いのもうなずける話です(自分は飛車)」などの笑えるような文章が盛り込まれているのも嬉しい。

◯佐藤天彦八段の「『貴族』天彦がゆく」は、王座戦挑戦にあたって和服を作った時の話。和服は初めての佐藤天彦八段だが、和服に対する愛情がどんどん増していく過程が描かれており、とても微笑ましくなる。

◯ルポルタージュ激戦の軌跡は、いしがわごうさんの「将棋とサッカー、異色の席上対局が実現」。東急将棋まつりでの渡辺明棋王VSサッカー元日本代表・小村徳男さんの席上対局(飛車落ち)の模様。最終盤の渡辺棋王の絶妙手がすごい。

◯後藤元気さんの「渋谷系日誌」は、羽生善治名人の対局中の「そうか」というつぶやき、千田翔太五段の自戦記、将棋会館耐震工事中の対局場だった都市センターホテルのことについて。この号掲載の千田五段の自戦記では非常に率直かつ冷静に千田五段の気持ちが語られており、後藤さんも「長い目で見れば将棋界の貴重な財産になるんじゃないかと思います」と高く評価している。

◯この号では糸谷哲郎竜王-井上慶太九段戦の観戦記が掲載されているが、リバイバル NHK杯伝説の名勝負は、井上慶太八段(当時)と糸谷竜王の師匠の森信雄六段(当時)の一戦(1997年度1回戦)。解説も両方の対局とも内藤國雄九段。井上八段の自戦記がとても温かい雰囲気。

◯棋戦プレイバックは、藤田麻衣子女流1級による第86期棋聖戦五番勝負。第2局の前夜祭での羽生棋聖のスピーチが伏線となるようなシリーズの結末。物語のようだ。

◯付録は、武市三郎七段の「序盤の急所 ②対振り飛車編」。わかりやすい次の一手形式。振り飛車党にとっては、あまり覚えてほしくないような、振り飛車泣かせの基本手筋が満載。

NHK杯戦観戦記

◯2回戦第3局 糸谷哲郎竜王-井上慶太九段

「長蛇を逃す」 観戦記:小田尚英さん

◯2回戦第4局 千田翔太五段-阿久津主税八段

「コンピューターに触れた者たち」 自戦記:千田翔太五段

◯2回戦第5局 阿部光瑠五段-深浦康市九段

「進撃のホープ」 観戦記:君島俊介さん

◯2回戦第6局 佐藤天彦八段-郷田真隆王将

「郷田の新手」 観戦記:私


ということで、今月号には私が書いた観戦記(佐藤天彦八段-郷田真隆王将戦)が掲載されています。

角換わり腰掛銀、プロ間でも注目されている課題局面からの展開で繰り出された郷田王将の新手。

対局前の佐藤天彦八段のエピソード、対局後の郷田真隆王将のエピソードも盛り込んでいます。

(観戦記には盛り込むことができなかった、解説の三浦弘行九段のエピソード)→三浦弘行九段が少し心配したこと

NHK将棋講座2015年11月号、面白い記事が満載ですので、ぜひご覧ください。

 

NHK 将棋講座 2015年 11月号 [雑誌] NHKテキスト