将棋世界2005年1月号、読者のページ「と金パーク」より。
いなかの中年が集まる、ある将棋教室の一コマ。
A「将棋のプロ棋士でぴったりの名前の人がいるやろ」
B「だれ?」
A「さきざきまなぶ、という人」
B「さきざきまなぶ?……?」
C「それはセンザキしゃんのことか?」
で、一同大爆笑。私もおかしいやら感心するやら、今まで気づかなかった手を指されたような。角がカーブしてきて駒を取られたような、なんともはや、たのしい気分になりました。(高松市 Nさん)
〔編集部より〕
楽しいお便りを頂き、まっさきに浮かんだ言葉は「さきざきのために学ぶことはいいことだ」だったのですが、「先崎と書いて、マッサキと読む人を僕は知ってるよ」と、沼春雄六段に言われて、思わず絶句……。
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調べてみると「先崎」という姓は、せんざき、せんさき、さきざき、ひろさき、まずさき、まつさき、まつざき、まっさき、まづさき、という読みがあるという。
「さきざきまなぶ」と読んだ人も、「マッサキ」と読む人も、全く不思議ではない世界ということになる。
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7月13日に刊行された先崎学九段の『うつ病九段』が大きな話題となっている。
私も発売当日に電子書籍で読んで、復帰するまでに本当に大変であったことがわかったとともに、奥様やお兄様をはじめとする方々のサポートが本当に温かく感じられた。
また、先崎九段が中学校をよくサボっていたのが、将棋や麻雀や遊びの理由からではなく、いじめからの逃避であったことを知り、衝撃を受けた。
ぜひ読んでいただきたい一冊だ。
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先崎九段が入院をしたのが2017年7月26日。
昨年の将棋ペンクラブ大賞観戦記部門優秀賞(先崎学九段の自戦記 王座戦 三浦弘行九段-先崎学九段戦)の発表がその1週間ほど前。
そして、将棋ペンクラブ会報秋号に掲載される「受賞のことば」を先崎九段から8月に送っていただいている。
大変な時期だったのに、本当に頭が下がる思いだ。