将棋世界2005年2月号、「第63期順位戦 A級」より。
あらかじめ作戦を練りに練ってくる三浦 対 飛車の位置が決まれば後は出たとこ勝負、的な実戦派の鈴木の一戦は、両者自信の相穴熊。
4枚穴熊にプラス馬付きという堅陣の上、桂得の三浦が優勢の図である。ここからの手順が手なれている。
▲4四歩△同飛▲6五飛(2図)
飛車を成らずに6五へ回り込むのが、なるほどうまい。△7三金なら▲5三馬があり受けにくい。このクラスになると速度計算のしやすい相穴熊ではほとんど逆転しない。鈴木も諦めたか、このあとはほとんど時間も使わず指し投了。中盤でのわかれが勝敗を分けた。
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2図以降は、△6七歩成▲6三飛成△6八と▲同金と進んでいる。
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後手からの△5八角成~△5七歩成が厳しいので、先手もゆっくりとはしていられない状況とはいえ、私などは▲4四歩~▲6五飛は一生かかっても浮かんでこない手順。
まさに、プロの飛車の成り方だ。