「落ち着いていて、無口で、今までに会ったことのないタイプの男性です」

将棋マガジン1991年11月号、河口俊彦六段(当時)の「対局日誌」より。

 スポニチを広げたら、中村の婚約発表がカラー写真入りで大きく伝えられていた。

”電話攻勢で詰み”の見出しで、詰み手順も紹介されているが、それによると、攻めは猛烈で、月の電話料金が8万円を超えたとか。

 手順が前後したが、相手は、福島テレビの美人アナウンサー辻雅子さん(26歳)で、中村について、「落ち着いていて、無口で、今までに会ったことのないタイプの男性」と言っているが、そうだろな、棋士はやっぱり常人とちがう。

「”夕食を一緒にどうですか”なんて東京から電話をくれて、それからやって来る。そして終電で帰って行くんです」

 という辻さんの話もあったが、中村君もやるときはやるもんだ。終電で帰るあたりは迫力に欠けるが、そんなのは余計な話。

 ともあれおめでとう。前月にもちょっとふれたが、若手棋士には、結婚してない者、恋人がいない者、が多すぎる。棋士室の雰囲気が、へんに屈折しているのも無関係でなかろう。リーダー格の中村の快挙は、みんなによい刺激を与えるはずだ。

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中村修七段(当時)は王将位を2期獲得しているので、婚約をスポニチがスクープしたのは非常に順当な流れと言えるだろう。

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「落ち着いていて、無口で、今までに会ったことのないタイプの男性」

そのうえに話すことが面白くて、責任感があって、思いやりもある中村修九段なのだから、申し分のない展開。

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「夕食を一緒にどうですか」と電話で話をして、それから福島市へ向かったとして、当時の新幹線で1時間半から2時間。

運賃は別としても、時間的には新宿から奥多摩へ行くのとそれほど変わらない。

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とはいえ、地元テレビ局の女性アナウンサーは地元では顔が知られているので、デートをする場所、食事をする店選びには苦労があったかもしれない。

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中村修七段(当時)の結婚