中井広恵女流六段による棋士の食事の話(後編)

昨日に続いて、中井広恵女流六段による棋士の食事の話。

近代将棋1997年4月号、中井広恵女流六段の「棋士たちのトレンディドラマ」より。

(太字が中井広恵女流六段の文章)

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食欲が落ちないといえば、加藤一二三九段も凄い。対局の時は、必ずといっていいほど、うな重を食べてらっしゃる。

面白いのは、一応メニューをご覧になって少考されるのだが、頼むのはやはり『うな重』なのだ。

札幌の将棋まつりでご一緒した時、加藤先生は三日続けて、昼、夜とお寿司をお食べになっていた。

「飽きないですか?」

とお聞きしたら、

「やっぱり北海道へ来たら、お寿司を食べなきゃね」

と、あのニコニコの笑顔。

長時間の将棋でもずっと正座を崩さない体力は、この食欲で、養われているのだろう。

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やはり、好きでなければ同じ食べ物は続かない。

とはいえ、私は毛蟹が大好きだが、札幌へ行って3日間、昼、夜と毛蟹は食べられないと思う。ジンギスカン然り。

しかし、カレーライスなら3日間×昼・夜いけるかもしれない。

北海道色の強いの寿司ネタといえば、ボタン海老、イクラ、毛蟹、タラバ蟹、ウニ、数の子、真タチ(マダラ)、ヤリイカ、ホッキ貝、さけ、ソイ、などになるのだろうか。

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森内八段もよく食べる。我が家へ遊びに来ると、いつも御櫃がカラになる。

特に焼肉が大好きで、これは仲の良い島八段の影響だろうか。

一緒にフランス料理を食べに行った時、

「こういうお上品なお店は苦手です。一遍に料理が出てくるのがいいですね」

と言うので、主人が、

「森ちゃんは『安い・早い・量が多い』がいいんだろ?」

とからかう。

最近、

「僕もグルメになりました」

と笑わせてくれる森内八段だ。

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森内俊之九段は、タイトル戦で肉系の昼食が他の棋士に比べ多いのが特徴だ。

焼肉が好きなプロ棋士としては、森下卓九段(読売新聞のインタビュー)、泉正樹七段などもいる。

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ところで今日は、NTTル・パルク杯第2期天河戦三番勝負第1局、中井広恵天河-石橋幸緒女流四段戦が行われる。

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