今日はマイナビ女子オープン一斉予選が開催される。→中継
4名のトーナメントが12ブロック、女流棋士35名、女性奨励会員3名、女性アマ10名による戦い(甲斐智美女流王位、斎田晴子女流五段、矢内理絵子女流四段、石橋幸緒女流四段は本戦シード)。
公開対局方式で、イベントも行われる。→第5期 マイナビ女子オープンイベント内容についてのお知らせ
熱い戦いが繰り広げられる。
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マイナビ女子オープンの前身のレディースオープントーナメントが開始されたのが1987年。
女流名人位戦(報知新聞)、女流王将戦(株式市場新聞)に続いての第3の棋戦。
第1回優勝は清水市代女流名人(当時)、第2回優勝が中井広恵女流名人(当時)、第3回優勝が林葉直子女流王将(当時)と、当時の三強による激闘がうかがえる。
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今年は、マイナビ女子オープンと同じくオープントーナメント方式の、リコー杯女流王座戦も誕生している。
女性アマの層が厚くなり、全体的に実力アップしてきている。
この傾向は、この数年で加速されている。
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蛸島彰子7級の奨励会入会が1961年、女流のプロ棋界が創設されたのが1974年。
女性と将棋の関わりの創成期。
昔の将棋マガジンを見ていて心に響く文章があったので、紹介してみたい。
将棋マガジン1988年8月号、「インタビュールーム’88 蛸島彰子四段の巻」より。筆者は将棋マガジン編集長の中島一彰さん。
〔問題〕
2と1の差と、1と0の差は、どちらが大きいでしょう。
〔解答1〕
2-1=1 1-0=1 差はありません。
〔解答2〕
2÷1=2 1÷0=∞ よって∞>2 1と0の差の方が圧倒的に大きい。
数学的に見れば、解答1の方が正しいと言えるだろう。しかし、世の事象を照らし合わせてみると、解答2の方が、説得力ある答えであろう。
”コロンブスの卵”しかり、”牡蠣を一番最初に食べた人が偉い”のである。
蛸島彰子四段、まぎれもなく1÷0の1である。女性で一番最初に、将棋の素晴らしさを理解した人である。そして将棋の素晴らしさを、女性に伝えた最初の人である。
”もっともっと、将棋を楽しむ女性が増えて欲しい” ソフトな口調で、熱く、切なる希望を、蛸島さんは語ってくれた。
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私は生牡蠣は苦手だが、本当にそう思う。