「冴えんなあ」

村山聖九段が亡くなったのが、1998年8月8日。

村山聖九段と師匠である森信雄七段が描かれた大崎善生著「聖の青春」。この中で、森信雄七段の口癖が「冴えんなあ」であったことがよくわかる。

将棋世界1999年11月号、当時の将棋世界編集長であった大崎善生さんの「編集部日記」より。

9月1日

イギリスの友人、トニー・ホスキンが来日。三週間の予定で我が家にホームステイする。

9月7日

順位戦を終えた森信さんが我が家へ。トニーとすっかり意気投合してしまった。森さんは15個ぐらいの知っている単語を自由自在に操り、言いたいことを何でも伝えてしまう。会談は午前3時にも及んだ。

9月10日

トニーは宝塚の森信さんの家に行ってしまった。「パチスロ ウィル スマイル オン ユー」の粋な言葉を私に残して。本場の英語はやっぱり格好いいなあ。簡単でもなかなか思いつかないフレーズである。

9月16日

数日間に亘る関西旅行を終えトニーが東京に帰ってきた。何か日本語を覚えた? と聞くと「サエンナア・・・」と煙草を吸うポーズをしながら呟いた。

—–

「冴えんなあ」・・・。 雰囲気がありすぎる。