今日はNHK将棋講座2013年12月号の発売日。
◯表紙は故・米長邦雄永世棋聖の若い頃。
◯グラビアは、9月に行われた「神戸ハーバーランドこども将棋まつり」
◯「棋士道 ~弟子と師匠の物語~」は、伊藤能六段による師匠 故・米長邦雄永世棋聖との思い出。
年齢制限ギリギリで四段になった伊藤能六段の奨励会時代、師匠から受けたアドバイスや叱咤激励の数々。米長永世棋聖の「お前の将棋は野球にたとえるとスリーボールになるとフォアボールでもいいやと思ってしまうところがある。とにかく勢いのある将棋を指せ」などは名言中の名言。
◯女流棋士リレーエッセイは香川愛生女流王将。香川流の逆転術について。
◯井上慶太九段の「井上慶太の 居飛車はおもしろい!」、今月は”棒銀で矢倉を攻略しよう”。矢倉・一直線棒銀戦法で面白いようにガリガリと攻めていく。最終週は相矢倉の戦い方にも言及。矢倉の狙いがわかりやすくコンパクトにまとめられていて、とても勉強になる。
◯アラカルト 将棋の周辺ガイドは、村田智穂女流二段談による「最後まで楽しめるものを」。
様々なイベントでユニークな催しを企画する村田女流二段の発想の源が語られている。
◯将棋クローズアップは、隠れた名局「竜王VS名人 席上対局で激突」。鈴木宏彦さんによる構成の、岡崎将棋まつりでの森内俊之名人-渡辺明竜王戦の観戦記。
◯佐藤天彦七段の「『貴族』天彦がゆく」は、棋士たちが普段使っている駒や盤の話。棋士の視点が興味深い。
◯後藤元気さんの「渋谷系日誌」。後藤さんが奨励会時代に戦った渡辺明奨励会員、広瀬章人奨励会員の思い出。酒を飲んでいる時の竜王の会話が可笑しい。矢内理絵子女流四段の結婚話、将棋連盟会長が優勝した時に誰が賞状を渡すかの話題も楽しい。
◯リバイバル NHK杯伝説の名勝負は、1993年度2回戦、佐藤康光六段-郷田真隆王位戦、佐藤康光六段の自戦記「うまく決まった一局」。佐藤康光六段の若さ溢れる文章が印象的。
◯棋戦プレイバックは、勝又清和六段による棋聖戦五番勝負の模様。
◯付録は、浦野真彦八段の「1手必至で知る寄せのコツ」。必至問題は一般的に難しいが、1手必至なので非常に取り組みやすく、また、有段者が読んでもためになるような内容。
◯NHK杯戦観戦記 (2回戦) 敬称略
鈴木大介八段-高崎一生六段 「200手超えの死闘」 岩田大介
豊島将之七段-佐藤康光九段 「胸の高鳴りを感じて」 内田晶
渡辺明NHK杯-広瀬章人七段 「研究が生きた勝利」 自戦記・広瀬章人
中田宏樹八段-橋本崇載八段 「古い革袋に新しい酒」 私
ということで、今月号には私が書いた観戦記(中田宏樹八段-橋本崇載八段戦)が掲載されています。
橋本崇載八段の対局前のインタビューが話題となった一局。
そして、アマチュアの升田式石田流党(たとえば私)に戦慄と衝撃を与えた中田宏樹八段の升田式石田流対策。
この号の、『探せるかな?「重箱のスミ」クイズ』に、
問4 NHK杯戦から。橋本崇載八段が着ていた和服の色は?
という問題が出題されていますが、答は私の観戦記を読んでいただけるとわかります。
NHK将棋講座2013年12月号、面白い記事が満載ですので、ぜひご覧ください。
NHK 将棋講座 2013年 12月号 [雑誌] 価格:¥ 530(税込) 発売日:2013-11-16 |