将棋世界2004年1月号、田村康介五段(当時)の第34回新人王戦決勝第3局〔行方尚史六段-田村康介五段〕自戦記「必勝ネクタイ」より。
初の三番勝負。自分ではまだ新人のつもりでいたのだが、周りからはどちらが勝っても新人らしくない新人王だね、とからかわれていた。(態度がデカイからかな?)まあ後輩も30人位出来たし、言われても仕方ないか。それはさておき今期の新人王戦を振り返って緒戦から簡単にまとめてみた。
2回戦 村田登亀雄アマ戦
たしか3月ごろの対局だったと思うが順位戦で昇級を逃し頭がおかしかった時期。序盤で大ポカがあり、やってしまった、と思ったが形勢はそれほど離れてなかったみたいでなんとか逆転。
3回戦 窪田義行五段戦
相振りで簡単に作戦勝ちになったと思い、いいかげんに指していたら怪しくなるも何とか逃げ切り。
4回戦 橋本崇載四段戦
中盤敵陣に角を打ち込んだら一手で角が詰んでしまい本当に投げようかと思ったが、踏み留まり相手に小ミスが重なり逆転。
準決勝 木村一基七段戦
はっきり言って一番苦手な相手(苦手じゃなくて力が違うと言う説もある)。
角換わりから超急戦。この将棋はデビュー以来最高の出来(言いすぎか?)で何とか競り勝つ事が出来た。これで決勝進出。木村さんに勝ったのだから優勝しなくてはと思った。
決勝 行方尚史六段戦
行方さんとは奨励会の時から指しており、正確には覚えていないが多分指し分け位の成績。だが棋士になってからは大きく水を開けられてしまったので何とかしたい所。又ある酒席で行方さんに君も昔は迫力のある将棋だったのにネ!と言われ、今度やったら絶対負かしたると思っていた。
第1局、行方さんの一手損角換わり。角換わりは自分の得意戦法だし一手損作戦なんか棋理に合わないと思っている。急戦を仕掛けて快勝。正直これは行けると思った。
第2局、相掛かりから今度は一歩損作戦。5筋から動いたのがまずく完敗。ここで決めてやろうと思っていたのにこの内容、かなりこたえた。これで1勝1敗。最後は後手なら振ろうと思い本局に臨んだ。
(中略)
最近よく好調だねとか言われる。たまに絶好調なんて付ける奴もいる。本当に失礼だ!(笑)。自分の中では当たり前の成績だし、むしろ不調だと思っている。ただ酒の量を減らしたので体調はかなりいい。その分暇になり競馬、競輪に行く回数は増えたが……
(中略)
「必勝ネクタイ」
今年の誕生日にもらったこの日着けて行ったネクタイ。この対局迄8戦8勝。その中には対木村戦2局も含む。木村さんを苦手と書いたが、奨励会時代から今年のNHKで勝つ迄10年間約10連敗していた。
別に縁起をかつぐ理由でもないが、決勝に来た時点で3局目があればこのネクタイと決めていた。
(中略)
投了図の△5八銀に15分考えて、何を考えていたの?と何回か聞かれ、新人王が見えてフルエてたの?とか、単なる嫌がらせ?と言われたが、▲同銀△同歩成▲4四銀と指された時の詰みを読んでいた。
週刊将棋には以下40数手で詰みありと書いてあったが、読み切っていたわけではなく、自玉の安全を確認した上で詰ましに行こうと思っていた。
優勝が決まって―
控えていた酒だが、ここの所毎日のように飲んでいる。ただ気分がいいせいか前のようにキレなくなって来た。いつキレるかが怖い(笑)。
最後に応援して下さった皆様ありがとうございました。今まで歯がゆい思いをさせてすいませんでした。まあ見ててください。
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田村康介七段は3月16日生まれ。
新人王戦第3局が10月30日なので、7ヵ月の間に必勝ネクタイで9勝したことになる。
当日の写真はモノクロなので色まではわからないけれども、小さな水玉がまばらに配置されている淡色系のネクタイだ。
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私は営業を17年間やっていたのだが、食事や着るものなど特にジンクスなどは気にしなかったと思う。
唯一あったとすれば、プレゼンの日を大安にする、企画書・提案書・見積書・契約書の日付を大安にする、ということぐらいだった。
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最近ではあまり六曜のことは気にしなくなったが、7年前にこのブログを始めた時は、大安の日に始めたつもりだったものの、ブログの仕組みを作ったのがその前日の仏滅の日だったので、ブログの一番下にはシステム的なスタート日である仏滅の日付がずっと表示されていた。
OCNのブログが廃止されることがきっかけとなって、昨年の5月から現在のシステム(Wordpress)へと移行したが、そういえば始めた日が何だったのか調べていなかった。
OCNのブログが11月末にサービス終了になることが発表されたのが2014年5月21日(友引)。
過去のメールを見ると、この日のうちに、Wordpressにすることにほぼ決めて、レンタルサーバのサービスに加入している。
いろいろな設定をして、新しい環境で記事を書き始めたのが5月24日(大安)。
友引の日から環境を用意し始めて、大安の日から開始。
今始めて知ったことだが、少し嬉しい。