芹沢博文八段(当時)「将棋界に動物は何匹いるか」

将棋世界1981年12月号、能智映さんの「棋士の楽しみ」より。

 数年前に芹沢や共同通信の田辺記者、サンケイ新聞の福本記者らと呑みながら、バカげたゲームをした。出題者はアイアイゲームの芹沢だ。「将棋界に動物は何匹いるか」というのである。

 最初はアダナのことかと思ってオランウータン(米長)、ムジナ(佐藤義則六段)、ミジンコ(鈴木輝彦五段)、アルマジロ(神谷広志四段)らの答えが出た。ところが芹沢は「違うよ、名前に動物名がついている棋士だよ」という。けっこう難しい。野本虎次六段、田中寅彦五段、今は亡い野村慶虎七段のトラトラトラがまず出た。古いが大和久彪八段もいた。同じく故人となった熊谷達人八段。森雞二八段がトリで武者野勝巳四段がヘビだということになったが、さあ、あとが大変だ。

 関西本部の事務局に働く相馬清司五段がようやく出てきた。「あと二人いる」と芹沢。われわれ三人は将棋界ではうるさいほうの記者と思っていたがしばし首をひねった。そんな時、タイミングよくウエイトレスが「おつまみの追加は―」と聞きにきた。「酢ダコ!」と答えて気がついた。蛸島彰子女流王将がいた。あと一匹がどうしても出てこない。「まいった!」と三記者が降参したら、芹沢はすましていう。「イタチがいるだろ?」―キョトンとする私たち。「バカだな、伊達君(康夫六段)は実はイタチと読むんだ」

(以下略)

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この話があったのは、野村慶虎七段と熊谷達人九段が亡くなっていなかった頃と思われるので、1976年のことだと考えられる。

1956年に亡くなっている大和久彪八段の名前も出ているので物故棋士も含めた中からのことだとすると、大崎熊雄九段と松田辰雄八段が抜けている。

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この後に棋士となった、名前に動物名のついている棋士としては、

菅井竜也七段、及川拓馬六段、熊坂学五段、都成竜馬四段、鹿野圭生女流二段、熊倉紫野女流初段。

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この機会に、名前に植物名のついている棋士を探してみた(木や森や林は除く)。

花村元司九段、灘蓮照九段、剱持松二九段、桜井昇八段、杉本昌隆七段、杉本和陽四段、加藤桃子女王、中村真梨花女流三段、山口恵梨子女流二段、中村桃子女流初段、石本さくら女流初段、山口絵美菜女流1級、頼本奈菜女流1級、塚田恵梨花女流2級、

やはり、動物名に比べると植物名では女流棋士が増えてくる。

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ちなみに、映画の007シリーズの生みの親で生涯に渡ってプロデューサーを務めたのがアルバート・R・ブロッコリ(1909年-1996年)。ブロッコリは野菜のブロッコリーとスペルが一緒。

ブロッコリを日本語にすると芽花椰菜という凄い漢字になる。

Wikipediaによると、アルバート・R・ブロッコリの伯父は、ブロッコリーをリトアニアからアメリカへ持ち込んで広めた人物であるという。

現在の007シリーズ(1995年の第17作 『 ゴールデンアイ』以降)はバーバラ・ブロッコリ(アルバート・R・ブロッコリの娘)とマイケル・G・ウィルソン(アルバート・R・ブロッコリの継子)がプロデューサー。

最近の007シリーズの作品ではオープニングの一番最初に「Albert R. Broccoli’s EON PRODUCTIONS LTD Presents」と出てくるが、それがアルバート・R・ブロッコリのこと。

まだ私の頭の中は007だらけだ。