将棋マガジン1990年2月号、大崎善生さんの「編集後記」より。
「これはブタのような手ですね」。衛星放送解説役の先崎四段が、師匠・米長九段の手をそう表現してしまったから大変。
「早朝だから、まだ見ていない」が先崎四段の読みだったのですが、その読みが見事に外れ!! 即座に九段から電話が入り「バッカモン!!」。もちろん、そんな事をいわれたら、誰だって怒ります。後日、米長九段に会ったところ「あいつは、明るいから許すんだ」とカラッとしたもの。「勉強になりました」と笑っていらっしゃいました。
その先崎四段、年鑑アンケートの、この世で一番恐いものは?の答えが”失言”というのも、泣かせます。
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この「ブタのような手」がどの棋戦で指されたどのような手なのかはわからないが、プロ入り3年目にして衛星放送の解説を依頼されるのだから、先崎学四段(当時)が面白さも含めていかに才能を認められていたかがわかる。
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今日放送のNHK杯戦、森内俊之九段-郷田真隆九段戦の解説が先崎学九段。
同じ学年、同じ羽生世代、お互いを子供の頃から知る仲。
よくぞ、このような組み合わせになってくれたものだと、さまざまな思いと期待が頭の中を駆けめぐる。
この三人、あるいは三人の中の二人の組み合わせでの過去からのエピソードは数多い。
その中から、ランダムに選んでみた。
→友情
→郷田真隆王位(当時)「先崎くんと飲むときは彼、払わせてくれないんです」
→「今、森内がウチに来てるんだよ。後から康光も来て、明日になれば郷ちゃんも来るんだけど」
今日の放送が楽しみでならない。