将棋世界3月号を読む

将棋世界3月号のトピックスを。

負の気持ちをすべて振り切りたい

椎名龍一さんによる佐藤康光九段インタビュー。

3頁という比較的少ないページ数の中に、佐藤康光九段の思いや心境が十二分に描かれている。取材日が1月5日なので、指し初め式の後の会話と思われる。

徹底解剖!豊島将之

小暮克洋さんの構成・文による特別企画。

①若手棋士(村山慈明五段×佐藤天彦五段)の対談

②学究派棋士(三浦弘行八段×宮田敦史五段)の対談

③先輩棋士(山崎隆之七段)へのインタビュー

④本人へのインタビュー

4本立ての力作。

豊島将之五段を知らなかった人が読んだとしても、豊島五段がとても強いということを体感できる。

逆転の心得

深浦康市王位の読み切り講座。

自らの実戦をもとに、逆転のための4つの心得とその事例が解説されている。まさしくプロの視点。

続・イメージと読みの直観

鈴木宏彦さんの文・構成によるヒット企画。

昔の定跡書によく載っていた棒銀の仕掛け(▲1五歩からの攻め)もテーマ図に入っている。戦法に対する価値観は、歴史の中で大きく変動していることがわかる。

藤井猛九段の言葉、「石田流は一見派手そうに見えて実は渋い将棋なんです」は名言だと思う。

突き抜ける!現代将棋

勝又清和六段の講座、今回は「相掛かりに夢を追う男たち」。

今世紀の相掛かりを築いてきた棋士たちへのインタビューを交えた解説。もし仮に、関根金次郎十三世名人の時代の相掛かりから始まり、木村義雄十四世名人の不敗の陣と言われた銀歩三戦法など、明治から平成までの相掛かりの変遷を全て網羅するような本ができたとしたら、売れるか売れないかは別として、ものすごいページ数になるのだろうなと思う。

さばきのエッセンス

久保利明棋王の講座。今回は「升田式石田流の変遷」。

現代版升田式石田流の定跡最前線だが、アマチュア同士の対局でもよく現れそうな局面が多数取り上げられており、石田流党の私にとっては非常に勉強になる。今度試してみようと思う手もあるが、相手にやられたら困ってしまう手も出てくるので、個人的にはとても複雑な気持ちで読んでいる。

これで矢倉は指せる

木村一基八段の講座の第16回。

私は矢倉を指さないので細かくは読んでいないのだが、毎回系統立てて網羅的に解説されているので、一冊の本になったら非常に喜ばれるのではないかと思う。

付録 受けと凌ぎ

武市三郎六段による最終盤の次の一手形式の問題集。私は終盤の受けが極めてユルいので、これを読めば本当に実力がつくと思う。

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