大道詰将棋の左配置

将棋ペンクラブ会報2009年冬号のQ&Aコーナーより。

実生活の役には立たないが、非常にためになる話。

私も目からウロコが落ちた。

Q.

大道詰将棋の問題はほとんどが左配置となっているのは、店側が客の読む力を少しでも削ぐためではないでしょうか。一般に利き目は右が多いので、左配置にするようになったのではないでしょうか。(参考文献「秘伝大道棋」)

(沖縄県の将棋ペンクラブ会員Nさんからのご質問)

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A図は大道棋の客寄せ用の「銀問題」(7手詰)。左配置になっている。

B図は、A図を右配置にしたもの。

1 (1)

2 (1)

たしかに、B図は見慣れた感じがするが、A図は大道詰将棋というイメージもあってか、難解そうに見えないこともない。

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回答は「秘伝大道棋」の著者である湯川博士さんが行っている。

A.

この本を書いたのは私ですが、執筆のため200題ほど並べてみましたが、盤面の左配置がほとんどでした。

A図は客寄せ用の「銀問題」です。客から見れば左配置ですが、大道棋屋から見ると右配置です。

大道棋用の盤は大きいので、右手で操作するのには都合がよい位置になっています。利き目のことまでは大道棋屋は考えていなかったと思いますが、念のためこの件を詰将棋研究家・門脇芳雄さんに伺ったところ、丁寧なご返事をいただいたので要約してご紹介します。

「この件について触れられた文献は見当たりませんでした。大道棋は大正時代に野田圭浦、荻野龍石らが元祖のようですが、その人たちの出した問題が左玉で、その後は改作図がこれに倣ったのでしょう。当時は袖の長い着物を着て大きな将棋盤に向っていたので、盤の右側の手前に駒があったほうが操作しやすかった。このメリットは大きかったと思われます。

ついでに一般の詰将棋問題はなぜ右玉が多いかと言うと、将棋雑誌などでなるべく右側と言われているためと思われます。右寄りのほうが読みやすいことと、半分にした省略図も右玉のほうが扱いやすい。

ちなみに江戸時代の古図式は左右ほぼ半々です。戦前の将棋雑誌は、右玉は54%、昭和20年代は69%、50年代は76%、最近の10年は82%です」

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門脇さんの解説には感動してしまう。

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