先週の土曜日に、
- 今日は昼からの飲み会があるので、来週の金曜日(11月25日)に『聖の青春』を観に行こうと思っている
- 場所は、新宿か有楽町かで迷っている
- よくよく思い出してみると、有楽町マリオンで前回観た映画は、2001年8月8日に『ジュラシック・パークⅢ』
- 8月8日は村山聖九段が亡くなった日
- ということは、有楽町で観るべきなのかもしれない
と書いたものの、
記事をアップした直後に、
有楽町マリオンでは、2001年11月に『冷静と情熱のあいだ』を観たこと、2001年8月8日が直近ではなかったことに気付き、
昨日(11月21日)になって、金曜日まで待てない、と思うようになり、
要は、昨日、月曜日の雨が降り始めた夜にもかかわらず、新宿で『聖の青春』を観てきました。
今日はその感想を。
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このような感じ方をする人は少ないかもしれませんが、映画『聖の青春』を観て、とても爽やかな青春映画だと思いました。
名人になる夢は叶わなかったけれども、必死に、前向きに、自分の夢に向かって生きていく村山聖八段(当時)。
周囲の、魅力的で個性豊かで温かい師匠・棋士・弟弟子。そして両親、羽生善治五冠(当時)。
将棋の過酷さも見事に描かれている青春映画。
エンドロールが流れる時に溢れてきた感情は、悲しさや切なさではなく、前向きな爽やかさでした。
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事前の予想と違って、私の場合はそれほど泣くことはありませんでした。
涙が出てきたのは、竹下景子さん演じるお母さんが泣いたシーンぐらい。
ただ、二度目、三度目と観るようなことになったら、松山ケンイチさんが出ているシーン全てで涙が出てくるという確信があります。
今回、最も心を打たれたのは、松山ケンイチさんの後ろ姿。
トボトボと歩く、少し丸まった後ろ姿に、村山聖九段が背負ったものが凝縮されているようで、言葉には言い表せないほど切なく感じました。
森信雄七段の奥様が、撮影の頃の松山ケンイチさんに会うなり泣いてしまった、というのがとても分かるような感じがします。
顔は決して似ているわけではないけれども、松山ケンイチさんから醸し出される雰囲気が村山九段そのもの、特に髪の毛を切った後の様子は、ビックリするくらい村山九段でした。
実際に村山九段と会っていた人たちからすれば、松山ケンイチさんを涙なしでは見れないのではないかと思います。
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2時間半のノーカット長回しによる最後の対局シーン。居酒屋での二人のシーンが非常に効果的に出てきて、なおかつ、勝負が決まる頃には、松山ケンイチさんの目に涙、東出昌大さんの目もかなり潤んでおり、凄絶かつ印象的な映像でした。
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今回の『聖の青春』は懐の深い映画。
見る人によって、あるいは見る時によって、ボロボロと泣く人、村山九段の強い決意に感動する人、いろいろな感じ方ができると思います。
きっと私は、もう一度、今度こそは有楽町マリオンに休み前の日に観に行くと思います。
松山ケンイチさんの出ているシーン全てで、涙を流してきます。