爆笑・大山康晴会長(当時)のスピーチ

将棋マガジン1986年10月号、グラビア「第44期名人就位式」より。

 8月5日、東京一ツ橋の如水会館で第44期名人就位式が行われた。会場は参議院議員の山東昭子さん、囲碁の小林光一名人らの著名人を始め、多くの将棋、報道関係者で埋めつくされた。「あと3期防衛すれば、大目標である大山十五世名人の18期に目安がつくでしょう」と11期目の名人位についた中原誠名人は終始にこやかに語った。

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〔大山康晴会長(当時)のスピーチ〕

「朝、起きた時、今日は名人就位式、はて今期の挑戦者は誰だったろう?しばらくして、ああ自分だと思い出しました」の十五世名人の挨拶に場内はドッと爆笑。「私の18期を目指してください」と最後は、力強くしめくくった。

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対局、会長職、各地での講演など、とにかく大山康晴十五世名人は忙しくしていることが大好きだった。

名人戦には数え切れないくらい登場している。

たしかに、朝起きた瞬間、今期の名人戦挑戦者が自分だったことをすぐに思い出せなくても不思議はない。

灯台下暗し。

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個人的な話になるが、子供の頃、テレビで「灯台下暗し」という言葉を聞いた時、「東大・本倉氏」とばかり思っていた。

東大の本倉教授とは、どのような研究で成果を出した人なのだろう、と本気で考えていた。まあ、今はわからなくとも、もう少し大人になれば分かることだろうと思い、誰にも聞かなかったが、たしかに何年か経って、意味がわかった。