将棋世界1991年10月号、神吉宏充五段(当時)の「対局室25時 大阪」より。
見に行くと浦野が話しかけてきた。
「この前、久しぶりに勝ちましてね」
「どないしたん。連敗しとったんかいな」
「ええ、子供ができてから勝てんかって、5連敗しとったですわ。それでストップするまで2ヵ月もかかってしまって……。でも考えてみると、成ちゃん(畠山成)よりもましやで。11連敗もしとったと思ったけど……(畠山成談・ヒドイ!9連敗ですよ)その連敗を止めたのが小林(健二八段)で、その小林さんも4連敗と辛い人がいっぱいおるんでっせ」
そうか、そんなにようさんおったか……(ちなみに私も今期5連敗した)。
(以下略)
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「辛い人がいっぱいおるんでっせ」
不思議な連帯感が生まれそうな状況だ。
連敗を止めた、という表現が斬新に感じる。
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将棋世界1991年11月号、神吉宏充五段(当時)の「対局室25時 大阪」より。
ところで話は変わるが、王位戦で南棋聖を本間四段が負かした。大金星である。これは関東でも話題になったらしく、翌日の朝4時に先崎五段から本間邸に電話がかかった。そして一言「何で勝ったんや!飛車落ちの手合いと違うんかいな」とキツイ洗礼。本間も負けていない「アホやな、飛車落ちちゃうで、二枚落ちの手合いや!」 明け方4時に大のオトナ二人が何ちゅう会話をしているやら……。
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「アホやな、飛車落ちちゃうで、二枚落ちの手合いや!」
明石家さんまさんの「アホちゃいまんねん、パーでんねん」を彷彿させる本間博四段(当時)の言葉が絶妙。
多くの棋士に愛されている本間六段のエピソードも多い。
両方のエピソードとも、先崎九段がからんでいるのが面白い。