王将戦第5局は、羽生善治王将が久保利明棋王に勝ち2勝3敗とした。
羽生王将の90手目、飛車取りを放置しての△7八馬は鳥肌が立つような凄い手だった。一瞬ボケッとした感じの手に見えるので、迫力が一層増した。
また、久保棋王の59手目の▲6五銀も、捌きの名手と言えるほど素晴らしい手だった。
一見地味に見える手が輝いていた一局だったと思う。
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王将戦第5局1日目の昼食は、羽生善治王将が天ぷらうどんと梅おにぎり2つ、久保利明棋王は熊野牛山椒焼。
2日目の昼食は、羽生王将が熊野牛山椒焼。久保棋王はカツ丼だった。
予想は、第三候補だったが羽生王将の天ぷらうどんだけがとりあえず当たった形だ。
ところで、今期の王将戦では、羽生王将の昼食の頼み方に一つの傾向が見られる。
それは、1日目に久保棋王が頼んだメニューを2日目に羽生王将が追随するというパターンだ。
第3局
久保棋王1日目、羽生王将2日目→海鮮チャーハン
第4局
久保棋王1日目、羽生王将2日目→シーフードピラフ
第5局
久保棋王1日目、羽生王将2日目→熊野牛山椒焼
3回も続くと偶然とはいえないような気がする。
羽生王将の恐るべき秘策なのか、2日目の昼食メニューを考える負荷を減らしているのか、願掛けなのか…
どういう背景があるのか興味深いところだ。
ちなみに第6局は陣屋で行われるが、陣屋の2日目は「陣屋特製カレーライス」になるので、1日目に久保棋王が頼んだメニューを2日目に羽生王将が頼むという手筋を見ることはできない。