新しい手合い係に、大変可愛い娘が入りました(前編)

覚えておられる方も多いと思うが、今から20年以上前、将棋世界や近代将棋に次のような広告がよく掲載されていた。

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いらっしゃいませ 秋葉原将棋センター デース

新しい手合い係に、大変可愛い娘が入りました

雅美さん・敬子さん(笑顔の若い女性の写真)

毎日こんなサービスしています

①毎日先着10名様宝くじ進呈

②コーヒー・コブ茶無料サービス

③海外旅行抽選券進呈

④日祭日トーナメント戦

⑤初めていらっしゃる方にもれなく粗品進呈

目標 秋葉原駅真正面

料金1日 400円(5時から350円)

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非常に目立った広告だった。

ちなみにこの広告は1985年バージョンで、1989年バージョンでは

新しい手合い係に、大変可愛い娘が入りました

→新しい手合い係を紹介します。

雅美さん・敬子さん(笑顔の若い女性の写真)

→由美さん・裕子さん(若い女性の履歴書風写真)

などのように多少の変化はあるものの、一貫した広告コンセプトだった。

この秋葉原将棋センターへの1985年版突撃レポート。

湯川博士さん「なぜか将棋人生」より、「こんなサービスしています」。

渾身の一作。

(湯川博士さんのご厚意により、「こんなサービスしています」の全文を掲載させていただきます)

将棋雑誌を開くと、道場の広告がたくさん入っていて、どこも同じような印象を受ける。しかし、いつも気になる広告というのがあるもので、それが何かの拍子にひょっと行ってみようという気を起こさせるのである。この潜在意識の浸透が、広告の大きな役目である。

次ページの写真の広告をご覧下さい。一ページ大が「近代将棋」で半ページが「将棋世界」のもの。おそらく読者の中でも将棋ファンなら、記憶に残っている人が大半だと思う。それくらいユニークな広告である。筆者も仲間と何度か話題にした覚えがある。

「なんか、キャバレーの広告みたいだね、コレ」

「こんな可愛い娘が入りましたなんて言ってるけど、行ったらバアさんが鼻すすりながらやってたとかサ」

「それに、こんなサービスしていますって言うけど、将棋道場で海外旅行が当るなんて眉ツバだね」

「一日四百円でこんなにデカイ広告出して、可愛い女の子入れて、その上海外旅行なんてホントかよ」

「でも実際どうなんだか。興味はあるねェ。誰か行ったことある?」

残念ながら筆者の仲間はゼロ。唯一人、「将棋ジャーナル」編集部のY君が学生時代に行ったという。でも広告写真のような女の子はいなかったとの証言。

女の子の興味はともかく、今どき四百円の席料で、宣伝文句にあるようなサービスをして、しかも毎月一ページの広告を打てる道場って、一体どんな所か。

この興味を数年来持っていたが、ついに好奇心の蓄積が限界に達し、出かけることにした。

広告によると、毎日先着十名に宝くじ進呈とある。

しからば早目に行って、この恩恵にあずからない法はない。

広告にはこの他、コーヒー・こぶ茶無料。海外旅行抽選券。日祭日トーナメント戦。初めての方粗品進呈とある。

本当なら凄い。

(つづく)