2009年度順位戦全対局の食事別勝敗分析、最後の今日は、個別メニューのトピックスを。
(将棋棋士の食事とおやつのデータによる)
昨日の記事では小分類での勝率を探ったが、もう少しブレイクダウンしてみる。
1.人気メニュートップ11
個別メニュー(178種)の注文ランキングと勝率は次の通り。
①親子丼 55注文 0.564
②みそ煮込みうどん 38注文 0.658
③カレーライス 37注文 0.378
④鍋焼きうどん 35注文 0.571
④きざみうどん 35注文 0.429
⑥中華そば 29注文 0.552
⑥カツ丼 29注文 0.483
⑧とろろせいろそば 27注文 0.593
⑨五目焼きそば 25注文 0.280
⑨きつねうどん 25注文 0.600
⑪玉子とじうどん 24注文 0.375
⑪うな重(梅) 24注文 0.458
2.高勝率メニューの背景に迫る
高勝率メニューは、多くの棋士の採用によるものと、特定の棋士の採用によるもの、二種類に分かれる。
[多くの棋士の採用による高勝率メニュー]
上親子丼 11注文 0.818
人気メニュー1位の親子丼だが、
親子丼(東京)16注文 0.438
親子丼(大阪)39注文 0.615
と、東京の親子丼(並)の勝率は振るわない。昨日の記事で親子丼系東京の勝率を0.621と紹介したが、東京の親子丼系の勝率を一気に上げているのが上親子丼。
カツ丼の上と並、うな重の松・竹・梅の間には勝敗の傾向の違いは見られなかったが、親子丼だけは(上)のご利益があるようだ。
9棋士による採用。個人的には一押ししたいメニューだ。
チャーハン 22注文 0.773
13棋士による採用。今後の注目株。
みそ煮込みうどん 38注文 0.658
16棋士による採用。東京で23注文0.700、大阪で15注文0.600。東京のみそ煮込みうどんのほうが2009年度は強力だった。
もりそば 9注文 0.778
6棋士による採用。先崎学八段は3勝0敗。素朴なメニューだが勝率が高い。
ざるそば 13注文 0.615
8棋士による採用。昼に頼めば勝率10割(3勝0敗)。先崎学八段はここでも1勝0敗。もり・ざる系は先崎八段の得意手筋かもしれない。
冷やし中華 15注文 0.733
季節モノだが、11棋士による採用。昼に頼むと勝率0.778、夜だと0.600。
山かけそば 6注文 0.667
5棋士による採用。東京での山かけそばは勝率10割(3勝0敗)。
肉豆腐定食 6注文 0.833
5棋士による採用。渡辺明竜王は味噌汁抜きで2勝0敗している。
うどん定食 13注文 0.615
大阪のメニュー。10棋士による採用。中座真七段は3勝0敗と必勝形。
[特定の棋士の採用による高勝率メニュー]
うな玉丼 13注文 0.615
うな重が苦戦の中、鰻系で唯一気を吐いているのが「うな玉丼」。
飯島栄治六段が5勝1敗、真田圭一七段が3勝2敗と、二人の独壇場。
かちんそば 8注文 0.875
「かちんそば」は、焼いた餅を乗せた蕎麦で、大阪のメニュー。
長沼洋七段が6勝1敗と必勝形を築く。
麻婆豆腐定食 11注文 0.636
丸山忠久九段が4勝2敗。
ミックス雑炊 10注文 0.700
横山泰明五段が4勝1敗、青野照市九段2勝1敗。
何が入っているのだろうか。気になる。
玉子雑炊 7注文 0.857
宮田敦史五段が5勝1敗と、独壇場の世界。
梅雑炊 6注文 0.667
上野裕和五段が3勝1敗。梅茶漬けとどのように違うのか興味深い。
納豆雑炊 7注文 0.571
上野裕和五段がここでも3勝1敗と活躍。しかし、他の雑炊と比べ個性が強すぎるのか、上野五段以外で勝ったのは遠山雄亮四段(1勝0敗)だけ。
鴨南蛮そば 7注文 0.857
川上猛六段が4勝0敗と猛進。
天丼 5注文 0.800
非常にポピュラーなメニューなのに採用数が少ない。
うな重、寿司が不調だった加藤一二三九段は「天丼(大阪)」で2勝0敗。小林宏七段も「天丼(東京)」で2勝0敗。
天とじ丼 5注文 0.800
大阪のメニュー。脇謙二八段が4勝1敗と独壇場。
きつね丼 5注文 0.800
大阪のメニュー。桐山清澄九段が4勝0敗と必勝パターン。
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カレーライス、カツ丼、うな重など、私が個人的に好きなメニューが、そろって勝率が思わしくない…
2010年度は挽回してほしいものだと思う。
(了)
食事データを取材いただいた順位戦中継記者の方々、および「将棋棋士の食事とおやつ」管理人の方に感謝致します。