近代将棋2006年4月号、村山慈明四段(当時)の「定跡最前線特捜部」より。
今回の近況報告は僕の身近にいる人にスポットを当ててみたいと思う。某五段氏のコラムに組み立てが似ていることを最初に断っておく。では行ってみましょう。
A君の場合。
A君は自称「1日15時間将棋に触れている」(勉強している、ではないらしい)、超頑張り屋さん。三段リーグでも七本の指に入る実力者だ。ただ、渡辺明竜王は「お前は遊び過ぎだ」と言ってA君を認めない。「そうかなあ?」と一瞬A君に肩入れをした僕だったが、竜王の次の言葉を聞いて納得した。
「俺なんてなあ、三段時代唯一の楽しみが奨励会の帰りにゲーセンでギャロップレーサー(競馬ゲーム)をやることだったんだぞ!」
なるほど、それと比べればA君は遊んでいるかも。タイトル取る人間はこうでなきゃいかんのか・・・・・・ 羽生森内佐藤の諸先輩方が奨励会の帰りにゲーセンへ行ったことがあるのかどうかは知りません。
B君の場合
(以下略)
若手奨励会員に檄を飛ばす際に、突然「ギャロップレーサー」という特定のゲーム名が出てくるのが、渡辺竜王らしくて可笑しい。
ところでA君は誰なのか?
近代将棋2006年4月号の原稿締切りは2006年1月末になるので、”渡辺明ブログ”の2006年1月の記事を調べてみた。
すると、見事に該当しそうな記事があった。→すっきりせず。
渡辺竜王と村山四段と戸辺誠三段、焼肉店での会話。
村、戸辺と夕食に行くことに。
連盟近くを提案したのですが、却下されて焼肉に決定。戸辺邸最寄り駅の焼肉屋に移動。この焼肉屋に来るとなぜか説教が始まります。この日も僕と村で戸辺を説教しかもプロ組だけ酒が入っているもんだからタチが悪い。
「お前は遊びすぎだ」
「遊んでないっすよー」
「いや、遊んでる」
何を知ってるわけでもないのに勝手に断定(笑)いつも通りビール2杯で酔う
—–
しかし、よく考えてみると、渡辺竜王が三段だった時代は中学3年生だったことになる。
中学生が一人でゲームセンターに行くのは、なかなか勇気のいることである。
補導される恐れもあるし、不良軍団にからまれるかもしれない。
—–
私は、極めて真面目な中学生・高校生だった。
中学生の頃は、街中の繁華街へは大人と一緒でなければ行かなかったし、ボーリング場などはもってのほか。
高校生になっても、
・正月にお神酒を親に勧められても拒否するほどの酒嫌い。
・喫煙、麻雀、パチンコなど考えられない。
・喫茶店には絶対に行かない。(親戚と鎌倉の喫茶店に入った一度のみ)
・映画館には行かない(一度だけ友人と「エクソシスト」を観にいったが、その友人は後に牧師になった)
と、男子高だったためもあって、遊びとは縁のない生活だった。
それが大学へ入ると、ほぼ180度転換し、大酒を飲むようになり、授業をサボって喫茶店や雀荘へ行くことも日常茶飯事。映画も一人で観るようになった。
社会人になると、タバコを吸い始めチェーンスモーカーとなり、女性のいる酒場へ一人で遊びに行くようになり、飲みに行った時など自分から帰ろうとは絶対に言い出さない人間になってしまった。
変われば変わるものだと思う。
—–
そんな私が一度もやったことがないことが、居酒屋での一人飲み。
理由はわからないが、これだけは今後もやろうと思わないし、できないだろうと思う。