「どうして将棋部に女子部員がいつかないのか」

将棋世界1982年1月号、「メモ帖」より。

 早稲田大学将棋部発行の「稲棋」15号(11月8日発行)を読んでみた。

 本誌7月号のグラビアで紹介した越前睦美さんは早大3年生で大学女流戦8連覇を目指していると記したが、今季の個人戦でついに敗れ、5連覇でストップしたとのことだ。殊勲者は成城大の国井美佳さん。

 その越前嬢が「ある将棋部員のひとりごと」を寄稿している。一部を抜粋。

『どうして将棋部に女子部員がいつかないのか。将棋部員というのはテレ屋というか無精者が多いので待望の女の子がやって来ても誰も相手をしてあげないので、女の子はどうしてよいか判らずにポツンとしている。更に許し難いことは蔭にまわって、アイツは顔がまずい、とか何とか言っている気配があって……(略)……やって来る女の子には次々と去られ、どうせやる気なんかないのサ、只の冷やかしだったんだと自分を慰めている』

 各大学の将棋部員は反省をのぞむ。なおこの稲棋には木村義徳八段も寄稿。古い会員名簿の中には、加藤治郎名誉九段、北村文男五段、木村嘉孝五段、木村義徳八段、加藤一二三十段、田辺忠幸氏らの名があり、すごいナと思う。

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これは36年前の大学将棋部事情なので、現在は違うかもしれない。

どちらにしても、放っておきっぱなしはマズいし、逆にあまりに遠慮なく密着サポートも良くない。

風呂の温度でいえば37℃から42℃の間のような、適度なバランスを保つことが必要とされるのは、将棋部に限らず、どこの世界でも同じだ。