気がつかない間に、歴史的な再会があったことを知った。
福岡県福津市の宮地嶽神社で行われた竜王戦第2局、対局前日(10月22日)のこと。
そして、偶然にも林葉先生にお会いしたらしく嬉しそうに『羽生君!とこの歳でも呼ばれるのは林葉先生だけで、20代の自負を思い出した!』と。林葉先生に私もお会いしたかったです。
— 羽生 理恵????? (@yuzutapioka) October 25, 2018
10月25日の夜のtweetなので、羽生善治竜王が竜王戦第2局が終わった翌日、家に帰ってすぐに理恵さんに話したことなのだろう。
たしかに、卒業後何年経っても、あるいは経てば経つほど、学校で同級生だった女性・先輩だった女性から君付けで呼ばれると、とても嬉しい気持ちになるものだ。嬉しくなる理由については今まで考えたこともなかったが、羽生竜王が話す通り「10代、20代の頃の自分を思い出す」のがやはり大きな理由なのかもしれない。
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羽生夫妻と林葉直子さんが最後に会ったのは、1995年8月24日と思われる。
近代将棋1995年11月号、大矢順正さんの「棋界こぼれ話」より。
8月の末日に「退会届け」を提出する予定だったが、写真集の情報がながれ一部のスポーツ紙に過激な見出しが躍った。連盟に迷惑のかかることを懸念して彼女は予定を早めて、1週間早く届けを提出することにした。
(中略)退会記者会見をした、その夜、彼女は新宿の料理屋で、羽生善治六冠王と婚約者の畠田理恵さんと会い、婚約のお祝いを兼ねて、羽生にお別れの挨拶をした。(写真)
林葉は、かねがね羽生の人間性と実力を高く評価していた。将棋界を去ることになったが、自分が十数年世話になった将棋界の今後を「よろしく」と言いたかったのだろう。
(以下略)
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懐かしいですね! https://t.co/ZFeCzi6UOc
— 羽生 理恵????? (@yuzutapioka) October 27, 2018
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ところが、偶然の再会ではなかったことが林葉さんの昔からの大親友・中井広恵女流六段から明かされる。
本当ですか?主人もとても喜んでました!羽生くんって言われて変わらない。理恵さんによろしくと言われたよ!と。嬉しかったです。
— 羽生 理恵????? (@yuzutapioka) October 27, 2018
くれぐれも、よろしくよろしくお伝えください??
— 羽生 理恵????? (@yuzutapioka) October 27, 2018
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林葉さんのブログには羽生竜王の福岡での勝利を喜んだことは書かれているが、羽生竜王と会ったことは書かれていない。
隣の佐賀県の伝統になるが、まさに葉隠精神。
→羽生、福岡で勝利(林葉直子オフィシャルブログ「最後の食卓」)
中井女流六段は、林葉さんが羽生竜王と会った翌日に次のようにtweetしている。
竜王戦対局場の宮地嶽神社、何年か前に姫に連れて行ってもらいました♪その時の事を電話で話していたら、前夜祭会場も彼女に連れて行ってもらって食事をした場所でした。
— 中井広恵 (@HIROE624) October 23, 2018
姫は林葉さんのこと。
きっと、林葉さんが「羽生君に会ったよ!」ということで中井女流六段に電話をしてきたのだと思う。
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長らく会ってはいなくても、林葉さんの体を気遣う手紙を出し続けていた羽生夫妻、御礼を伝えに行った林葉さん、20数年の時を経ての再会。
とても良い話、嬉しい話を聞けたと思った秋の日だった。
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林葉直子さんと羽生善治竜王のエピソード
→林葉直子女流名人(当時)の「私の愛する棋士達 第7回 羽生善治棋王の巻」
→林葉直子女流王将(当時)「羽生くん、髪どこで切ってるの?」
→羽生善治竜王(当時)「珍しいですネ、将棋を指す人にしては……」