黒崎昌一ワールド

昨年の3月に、このブログで「面白いエッセイ」という記事を書いた。

これは、仙台の「杜の都 加部道場」のサイトの、加部康晴さんのエッセイ「想い出話」を紹介した記事で、その前日の記事中の「黒崎昌一さんのこと」のクリック率が高かったことも書いている。

黒崎昌一さんは指導棋士で、福島市で将棋道場を経営している。黒崎さんは広津門下で、荒巻門下の加部さんとほぼ同時期に奨励会だった。

黒崎さんの何がユニークかというと、主に次の二点。

(詳細は「黒崎昌一さんのこと」をご覧ください)

  • 切れ負け勝負での、千手観音を彷彿させるような対局時計を押す速さ
  • 話好きで、一度喫茶店に入ると10時間は序の口で、長い場合は15時間超

この黒崎さんと加部さんによるコラボレーションが実現されるらしい。

「杜の都 加部道場」掲示板より。

加部さんの表現が秀逸なので、そのまま掲載させていただく。

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黒崎昌一ワールド について、

加部 康晴(383) 投稿日:2010年4月19日<月>19時53分

いよ々待望?の「福島:黒崎道場/黒崎昌一ワールド」ページが同HP上にUPされます。この度のそれは、杜の都道場からのエールとして実施する提携第一弾。続く関連として、黒崎道場の一角に永年埋もれていた貴重なる「古棋書300冊」余りを黒崎さんより、杜の都道場が一括マネージメントを委託され、希望者へ格安価格提供する運びとなりました。目下の予定では、今週末までに蔵書リストをHP上で提示します。例えば、昭和27、8年の「将棋世界」や、昭和40年代の「将棋年鑑」等々。その他マニアには堪らない珍しい棋書ばかりです。尚、同一書籍は複数ありませんので、売り切り時点で随時在庫内容が更新されます。

また6月以降目途で、「<仮称>黒崎昌一子供将棋教室」を現道場外の市内某所において、定期開講される予定です。 同教室の受講生募集周知は「杜の都HP上」で行います。また教室内容も”杜の都流”を取り入れ、あらゆる面で杜の都道場がバックアップします。その他、黒崎道場が飛躍or浮かび上がる為に、実行可能なあらゆる策をプロデュースする考えです。それらについては、以前から懸案したものではなく、2週間前に突然話のなかで決まった事。思いついたら即実行!の加部流と、初動は慎重ではあるものの、土壇場に追い込まれて力を発揮する黒崎流が合致すれば、もしかしたら、まだ々世間に真髄が知られていない”黒崎昌一ワールド”全開のチャンスかもしれない。きっと面白い事になりそうな予感がする。やはり、黒崎さんが表舞台に出てくれば、面白くなくっちゃーしょうがない。 とりあえずは、そうあってほしいと切に思っている。

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”質問”について、

加部 康晴(593) 投稿日:2010年4月19日<月>21時36分

本人は至って真面目。むろん意識して周囲を笑わせようとしているわけじゃーない。

それなのに何となく変? そしてそれこそが面白い。

それこそが”黒崎昌一ワールド”の真髄なのです。

冒頭からなんだ? と不思議に思った人もいたかと察しますが、「黒崎昌一ワールド」ってなんですか? という質問メールが殺到?したことから、前項の補足として付記したもの。

わざ々メールで質問する人も、ワールドに嵌る資質ありとお見受けした。

まず、「黒崎昌一ワールド」を手っ取り早く体現するには、直接道場へ出向いて本人と接することでしょう。 但し初心者の人は、ペットボトルを何本か持参したほうが懸命です。

その理由は、黒崎流のいつ果てることのない長時間の話っぷりに耐えられる体力と精神力を補佐するものが必要だからです。

何ヶ月か前に、黒崎道場へ小学生の弟子M君を2泊3日で体験修業させたことがある。

そしてあえて泊りも道場という条件で、そして最大の修練が、黒崎さんに連れられ夕食を兼ねてのファミレスでのこと。そして想定通り、普通の食事時から朝方近い4時まで同所で話に昂じられたそうだ。更に、道場へ戻って小1時間の仕上げがあったとのこと。

実は、それこそが当初の修業第一目的であった。そしてM君は、その苦行を従順耐えたそうだ。それには黒崎さんからも「いゃー、M君は大したもんだ。流石に加部門下だねー、」と褒められたと訊く。

そんな出来事を訊いた普通の親なら、「えっー!」と飛び上がるところだろうが、そこは肝が座っているというか、「そうでしたか。」と別段驚くこともなく、むしろ微笑みさえ浮かべ甘受する度量に、流石の黒崎さんをしても、格の違いを痛感したそうだ。

以上はほんの一端。 すべてにおいて普通じゃないところを普通にしてしまうところが面白いわけで、それこそが「黒崎昌一の世界」と云われる所以である。

たとえば、「想い出話し」を読んで、将棋を教わりたいとか、指しに行きたい、とかは差しおいて、「黒崎さんを一回見てみたい。」という理由で尋ね、気がついたら黒崎ワールドに嵌った、という人も幾人かいたそうだ。

まあーそんなところが、黒崎昌一ワールドのさわり部分になります。

以上、

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黒崎道場 専用ページ 初期段階立上げ。

杜の都(235) 投稿日:2010年4月20日<火>23時03分

いきなり話題独占になってしまった感ある?「黒崎道場/昌一ワールド」の専用ページの初期段階が立ち上がりました。

本当は、黒崎さんご本人の近影UPを載せるところでしたが、これじゃー普通すぎて面白くないのでしょう。ということから、ご本人の承諾なしで、黒崎ワールドの象徴?というべき”対局時計”と”お茶”、そして長時間話に必須の”煙草”をモチーフとした似顔絵にしました。こうした発想が浮かぶのも、黒崎さんのキャラクターが在ってこそ成せる業です。

尚、似顔絵の作者は、遠藤美佐(チタ)でした。 流石によく特徴捉えた見事な出来!

そして、黒崎さんからの真っ当な冒頭文が、似顔絵とのギャップを映すようで絶妙とは、レイアウトのセンス良しと、自負したいところでしょうか。

また、道場所在地は福島駅西口より徒歩10分。と表記していますが、これは標準としたものです。まさか、「辿り着くまで迷いに迷って優に30分なら大したもの。クルマの場合、途中、千日手の可能性あり。更に、入口を見つけるのが至難。ようやく入口に入った後、意表を突く急階段が最後の試練となります。」なんて書けませんから。

まあー、黒崎さんのキャラと、それを巧みに描写する”才覚”? という両輪により、類稀な人気ページを目指す所存です。 乞うご期待!

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「そして最大の修練が、黒崎さんに連れられ夕食を兼ねてのファミレスでのこと。そして想定通り、普通の食事時から朝方近い4時まで同所で話に昂じられたそうだ。更に、道場へ戻って小1時間の仕上げがあったとのこと」など最高に笑ってしまう。

黒崎昌一ワールドには、どうしても興味がわいてしまう。

昌一 ワ~ルド へようこそ

本当に真っ当な冒頭文だ。