将棋世界2001年7月号の、アサヒスーパードライの広告「キレ味。この一手。 第10回 行方尚史六段」より。
おいしいビールの将棋
ビールが好きで、年がら年中ビールばかり飲んでいる。将棋に勝った日のビールは旨いが、負けた日のビールは苦い。負けて部屋に帰り、買い置きしてあったビールを一本残らず飲んでしまったことが何度もあるのだが、いまだに床に転がった空き缶には負けた将棋の思い出が詰まっていたりして、僕にとってビールは泣いたり笑ったりの人生の味そのものだ。
今回はおいしいビールが飲めた将棋、昨年度順位戦最終局の桜井昇七段との一戦を見てやってほしい。僕はこの将棋にB級2組への昇級が懸かっていた。
終盤、図から▲7四桂△5一銀▲2二飛成△同金▲5二角で桜井七段が投了。嬉しい昇級を決めることができた。
▲7四桂がキレのある一手で△同飛は▲2二飛成△同金▲8三角の王手飛車が決まる。
桂を打った瞬間は本当に気持ちが良かった。これからもスーパードライのようなキレのある将棋を指していきたい。
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▲7四桂が絶妙手。これなら対局が終わった後のビールが本当に美味しくなりそうだ。
また、行方尚史六段(当時)の文章がビールの広告にピッタリ。
行方六段の生活がビールと密着していたから、このような良い文章が生み出されたのかもしれない。
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私は酒はたくさん飲んでいたが、ビールは苦手でほとんど飲んでいなかった。パーティーの乾杯の時もウィスキーの水割りにするほどだった。
ところが最近、付き合いで一杯目に生ビールを頼むことが続き、そうするとビールもなかなかいいなと徐々に思えるようになってきた。
反対に飲みづらく感じてきたのが焼酎系。
何が原因かはわからない。
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ここ1ヵ月、007シリーズの映画を集中的に観ていた。
第1作の『ドクター・ノウ』から最新作の『スペクター』まで24作品。
毎回、ジェームズ・ボンドなどが酒を飲むシーンが多く出てくるのだが、24作中ビールが登場したシーンは一つもなかったと思う。
ジェームズ・ボンドの地元の英国のビールはパブで出てくる生ぬるいビール。
一度だけ飲んだことがあるが、美味しいとは思えなかった。
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今までの007の全作品を観て、
- ショーン・コネリー時代が大山康晴十五世名人時代
- ロジャー・ムーア時代とティモシー・ダルトン時代が中原誠十六世名人時代
- ピアース・ブロスナン時代とダニエル・クレイグ時代が羽生世代時代
が合致しているということに気づいた。
気づいたといっても何の役にも立たないが。
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007全作品、それぞれが面白く、歴代ボンドも魅力がそれぞれ違い、本当にたいしたものだと思う。
私は映画館で007シリーズを観たことは一度もないので、ショーン・コネリー時代のものを除けば初めて観るものばかり。
24作中、NO.1を選べと言われたら『ロシアより愛をこめて』。
印象的な作品はと聞かれれば『女王陛下の007』と『カジノ・ロワイヤル』。
個人的に好きな作品はと聞かれたら『美しき獲物たち』。
好みのボンドガールはと聞かれたら、若林映子とソフィー・マルソー。
そして、知らず知らずのうちに、私はロジャー・ムーアのファンになってしまっていた。
ロジャー・ムーア時代の007は、緊張感とアクションシーンが少なく、秘密兵器とボンドガールがたくさん出てくる荒唐無稽なストーリーの作品が多いと言われているようだが、そこが良いところだと思っている。
調べてみると、ロジャー・ムーアが書いた本があるということで、早速amazonで注文をしてしまった。
届くのが楽しみでならない。